全仏オープンテニス2007 レビュー
今年も赤土の王者・女王の強さは健在だった。いや、より強固なものとなったと言ってもいいかもしれない。今季クレーコート81連勝という記録を打ち立てたラファエル・ナダル、女子世界1位に君臨するジュスティーヌ・エナンは、並み居る強敵をなぎ倒していとも容易く優勝して見せた。しかも両者ともに今回が3連覇という偉業達成だ。
フェデラーは今年の前哨戦でナダルからクレーコート初勝利を奪い、周囲からも初優勝、グランドスラム達成の期待も高まっていたが、またもクレーの申し子に粉砕され、その夢の実現は来年以降に持ち越しとなった。 女子では、第2シードとして出場したマリア・シャラポワの健闘があった。肩の怪我から復帰したばかりのシャラポワは、大会序盤こそ苦戦が続いたが、苦手のクレーを不屈の闘志で勝ち上がり、初のベスト4進出を果たした。 この大会のハイライトとして欠かせないのは、やはりセルビア勢の活躍だろう。女子準優勝のイバノビッチ、ベスト4のヤンコビッチ、男子ベスト4のジョコビッチと、男女ベスト4に3人も送り込み、ロシアを上回る最大勢力に成長した。19歳のイバノビッチ、22歳のヤンコビッチ、20歳のジョコビッチと、3選手ともまだまだ若く、これからの躍進にも期待が持てそうだ。 今年からペアを組み始めたシュレボトニックとのコンビネーションも高まっていた杉山組は準決勝で、昨年決勝で敗れた第1シードのレイモンド/ストザー組を下し、波に乗って決勝に進んだが、第17シードのモリック/サンタンジェロ組に屈し、2年連続の準優勝に終わった。杉山は今後、自ら課題と語るサーブの改善に努め、更なる向上を目指す。 また国枝は、ダブルスでも斎田悟司と組んで準優勝と好成績をおさめた。女子でも、第2シードの八筬美恵の組が、見事準優勝を収めている。 ジュニアの部では、日本からは奈良くるみ、秋田史帆がシングルスに出場し、シングルスでは2回戦で敗退したが、ダブルスではペアを組んでベスト8に進出した。 ジュニアの部、男子シングルスではウラジーミル・イグナティッチが、女子シングルスでは地元フランスのアリス・コルネがそれぞれ栄冠を勝ち取っている。 画像提供:GETTY/AFLO
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