ウィンブルドン2012特集 TOP
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2012年大会の見所
1年で最大のテニスイベントであるウィンブルドン。四大大会でも最古の歴史と伝統を誇る今大会、今年も緑のカーペットの上で純白のドレスに身を包んだ紳士淑女が、たった一つのトロフィーを目指して熱い戦いを繰り広げる。
ノヴァーク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダル、ロジャー・フェデラー。3人合わせてグランドスラム32勝という数字が示しているように、この3人が現在の男子テニス界を支配しているのは、ゆるぎない事実となっている。今大会の成績によっては王座交代もかかっているだけに、今年もこの3人を中心に大会が回っていくだろう。
その流れに待ったをかけたいのが世界ランク4位のアンディ・マレー。「ビッグ4」の一角と呼ばれ、メジャー優勝は時間の問題とその実力は高く評価されながらも、あと一歩が届かないばかりに前述の3人との差は開く一方となってしまった。地元ファンの期待を一身に背負う25歳が、1936年のフレッド・ペリー以来となる、悲願の地元勢優勝を目指す。
この他にも、昨年の準々決勝でフェデラーを2セットダウンからの逆転で破ったジョー-ウィルフリード・ツォンガや、球足の速いコートも苦にしないダビド・フェレール、2010年のUSオープン覇者であるフアン・マルティン・デル=ポトロなど、綺羅星のごとくスターが存在している今の男子テニス界。どこを切っても美味しい試合になることは間違いないだろう
また、かつて一世を風靡したベテラン勢、レイトン・ヒューイットや前哨戦でフェデラーを下したトミー・ハース、今大会で3度の準優勝をしているアンディ・ロディックなど、まだまだ注目したい選手がいっぱいの男子シングルス。大会最終日に金色のトロフィーを手に入れるのは果たして誰だろうか。
ここ数年、群雄割拠の時代となっていた女子シングルス。昨年のグランドスラム優勝者が全て違うことを考えてみても、グランドスラムでは誰が優勝するのか予想が出来ないと言われていた。しかし、今年は違う。
先の全仏オープンを制し、史上10人目となる生涯グランドスラムを達成するとともに、世界ランク1位に返り咲いたマリア・シャラポワ。今年は彼女を中心とした優勝争いが繰り広げられる。肩の怪我から復活したものの、グランドスラムでは思うような成績が残せていなかったシャラポワだったが、昨年の準優勝をきっかけに大舞台でも本来の力を発揮し始め、そして今年、ついにトップの座に帰ってきた。
シャラポワに続いて優勝争いに絡んできそうなのは、ディフェンディング・チャンピオンのペトラ・クヴィトバ、今年の全豪を制したヴィクトリア・アザレンカあたりだろう。前哨戦では残念な結果に終わっているクヴィトバだが、長身から繰り出される強烈なサーブやストロークは、どんな選手であっても太刀打ちできない破壊力を秘めている。またアザレンカは全仏では不本意な結果に終わったものの、元々は球足の速いサーフェスを得意としている。この2人もまた、注目を集めることになるだろう。
また忘れてはならないのが、パワーテニスの先駆者であるウィリアムズ姉妹の2人。2000年からの今大会チャンピオンを紐解けば、昨年までの12大会でこの姉妹がタイトルを獲得したのは実に9回にのぼり、そのうち決勝での姉妹対決は4回と圧倒的な実績を誇る。
さらに近年はパワー化の一途をたどってきた女子テニス界だが、全仏オープンで決勝に進出したサラ・エラーニや、世界ランク3位のアグニエシュカ・ラドワンスカのようにオールラウンドかつ戦術的なプレーで好成績を残している選手達にも注目したい。体格的には恵まれてはいなくても、パワーボールをいなし、意外性もあるショットメイキングで大柄な選手を翻弄する彼女たちのプレーは、日本人にも大いに参考になるだろう。
いよいよ錦織圭が表舞台に帰ってくる。大いに活躍が期待されていた全仏オープンを腹筋の怪我のために無念の欠場、5月中旬から治療とリハビリに専念していた錦織だったが、なんとか今大会に間に合った。どこまで試合勘を取り戻せるにもよるが、テニスの聖地での初勝利に期待したい。また今年は添田豪と伊藤竜馬も本戦からの出場を決めており、3人そろっての初戦突破となるか?
女子からはクルム伊達公子と森田あゆみが本戦から出場する。2008年に現役復帰を表明した時は、誰もが疑問を感じただろうが、2010年の全豪オープンから全てのグランドスラムに出場している結果を見せつけられては、何も言うことはできない。40歳を超えてなお限界に挑み続ける姿勢は、日本のみならず世界に衝撃を与えている。一方の森田は、年初こそトップ50位でスタートしたものの怪我の影響もありランキングを落としてしまっている。全仏オープンではシャラポワに力負けしてしまったが、そこから得たものをここで発揮してくれることを期待したい。
男子テニスの黄金時代
ノヴァーク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダル、ロジャー・フェデラー。3人合わせてグランドスラム32勝という数字が示しているように、この3人が現在の男子テニス界を支配しているのは、ゆるぎない事実となっている。今大会の成績によっては王座交代もかかっているだけに、今年もこの3人を中心に大会が回っていくだろう。
その流れに待ったをかけたいのが世界ランク4位のアンディ・マレー。「ビッグ4」の一角と呼ばれ、メジャー優勝は時間の問題とその実力は高く評価されながらも、あと一歩が届かないばかりに前述の3人との差は開く一方となってしまった。地元ファンの期待を一身に背負う25歳が、1936年のフレッド・ペリー以来となる、悲願の地元勢優勝を目指す。
この他にも、昨年の準々決勝でフェデラーを2セットダウンからの逆転で破ったジョー-ウィルフリード・ツォンガや、球足の速いコートも苦にしないダビド・フェレール、2010年のUSオープン覇者であるフアン・マルティン・デル=ポトロなど、綺羅星のごとくスターが存在している今の男子テニス界。どこを切っても美味しい試合になることは間違いないだろう
また、かつて一世を風靡したベテラン勢、レイトン・ヒューイットや前哨戦でフェデラーを下したトミー・ハース、今大会で3度の準優勝をしているアンディ・ロディックなど、まだまだ注目したい選手がいっぱいの男子シングルス。大会最終日に金色のトロフィーを手に入れるのは果たして誰だろうか。
今年のウィンブルドンには本命がいる?
ここ数年、群雄割拠の時代となっていた女子シングルス。昨年のグランドスラム優勝者が全て違うことを考えてみても、グランドスラムでは誰が優勝するのか予想が出来ないと言われていた。しかし、今年は違う。
先の全仏オープンを制し、史上10人目となる生涯グランドスラムを達成するとともに、世界ランク1位に返り咲いたマリア・シャラポワ。今年は彼女を中心とした優勝争いが繰り広げられる。肩の怪我から復活したものの、グランドスラムでは思うような成績が残せていなかったシャラポワだったが、昨年の準優勝をきっかけに大舞台でも本来の力を発揮し始め、そして今年、ついにトップの座に帰ってきた。
シャラポワに続いて優勝争いに絡んできそうなのは、ディフェンディング・チャンピオンのペトラ・クヴィトバ、今年の全豪を制したヴィクトリア・アザレンカあたりだろう。前哨戦では残念な結果に終わっているクヴィトバだが、長身から繰り出される強烈なサーブやストロークは、どんな選手であっても太刀打ちできない破壊力を秘めている。またアザレンカは全仏では不本意な結果に終わったものの、元々は球足の速いサーフェスを得意としている。この2人もまた、注目を集めることになるだろう。
また忘れてはならないのが、パワーテニスの先駆者であるウィリアムズ姉妹の2人。2000年からの今大会チャンピオンを紐解けば、昨年までの12大会でこの姉妹がタイトルを獲得したのは実に9回にのぼり、そのうち決勝での姉妹対決は4回と圧倒的な実績を誇る。
さらに近年はパワー化の一途をたどってきた女子テニス界だが、全仏オープンで決勝に進出したサラ・エラーニや、世界ランク3位のアグニエシュカ・ラドワンスカのようにオールラウンドかつ戦術的なプレーで好成績を残している選手達にも注目したい。体格的には恵まれてはいなくても、パワーボールをいなし、意外性もあるショットメイキングで大柄な選手を翻弄する彼女たちのプレーは、日本人にも大いに参考になるだろう。
帰ってきたエース
いよいよ錦織圭が表舞台に帰ってくる。大いに活躍が期待されていた全仏オープンを腹筋の怪我のために無念の欠場、5月中旬から治療とリハビリに専念していた錦織だったが、なんとか今大会に間に合った。どこまで試合勘を取り戻せるにもよるが、テニスの聖地での初勝利に期待したい。また今年は添田豪と伊藤竜馬も本戦からの出場を決めており、3人そろっての初戦突破となるか?
女子からはクルム伊達公子と森田あゆみが本戦から出場する。2008年に現役復帰を表明した時は、誰もが疑問を感じただろうが、2010年の全豪オープンから全てのグランドスラムに出場している結果を見せつけられては、何も言うことはできない。40歳を超えてなお限界に挑み続ける姿勢は、日本のみならず世界に衝撃を与えている。一方の森田は、年初こそトップ50位でスタートしたものの怪我の影響もありランキングを落としてしまっている。全仏オープンではシャラポワに力負けしてしまったが、そこから得たものをここで発揮してくれることを期待したい。
第1日
大会初日見どころ/ついに開幕! 今年もいよいよテニスの聖地で始まるウィンブルドン。赤土の全仏から芝のウィンブルドンへ、1年の中でも「最も難しい」と言われるこの時期、頂点をかけた超高速バトルの火蓋が切って落とされる。 各地で行われていた前哨戦も終わり、大会初日を迎えるウィンブルドンでは、男子シングルスと女子シングルスの1回戦、そして男女ダブルス1回戦が行われる。
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大会初日のセンターコート第1試合には、男子シングルスのディフェンディング・チャンピオンが登場するのが今大会の慣例。そして今年、その大役を担うのは大会連覇を狙うノヴァーク・ジョコビッチ。普段であればジョコビッチが快勝して2回戦に進むことが予想されるが、今年の1回戦の相手は元王者のフアン=カルロス・フェレーロと、グラスコートの初戦としてはいささかタフな組み合わせとなった。ジョコビッチとフェレールは過去の対戦では1勝1敗、2005年にはフェレーロに、2007年にはジョコビッチに軍配が上がっている。
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センターコートの第3試合で行われる男子シングルス1回戦では、第6シードのトマス・ベルディフがエルネスツ・ガルビスを迎え撃つ。2010年大会の準々決勝でロジャー・フェデラーを破り、一気に決勝進出を果たすなど今大会では23勝8敗と相性のいいベルディフ。それに対しガルビスは今でこそランキングを落としているものの、190cmの長身から繰り出すサーブとフォアハンドが上手くハマれば、トップ選手をも飲みこむポテンシャルを秘めている。両者の対戦成績は2勝1敗でベルディフがリードしているが、芝での対戦は今回が初めてとなる。
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女子シングルスでは、1番コートの第3試合に注目が集まる。今年が最後のウィンブルドンとなるキム・クレイステルスと第18シードのイェレナ・ヤンコビッチが早くも激突する。ともに元世界ランク1位同士ながら、クレイステルスが怪我のためにランキングを落とし、今大会はノーシードとなったため、いきなり元女王対決が実現した。今年のクレーシーズンを棒に振っていたクレイステルスは、直前の前哨戦では快調に準決勝まで勝ち進んだが、腹筋痛のために試合を棄権するなど、コンディションに一抹の不安を残している。両者の対戦成績は7勝1敗でクレイステルスが圧倒している。女子テニスの黄金時代を彩った1人であるクレイステルスが、最後のウィンブルドンに臨む。
この他の試合では、日本勢から森田あゆみと土居美咲が1回戦に登場する。この日の1回戦で森田はジャーミラ・ガイドソバと、ラッキールーザーで本戦入りを果たした土居はアランチャ・ルスと対戦する。男女合わせて6人が本戦入りした今年のウィンブルドン、先陣を切る2人のプレーが、明日以降の日本勢に勢いを与えてくれることを期待したい。 |
第2日
大会2日目見どころ/日本男子が登場! 晴天に恵まれたウィンブルドン初日、男女シングルスともにトップハーフの1回戦が行われた。まだ踏み荒らされていない美しい芝の絨毯の上では、早くも悲喜こもごものドラマが展開された。 この日に登場した日本勢は森田あゆみと土居美咲の2人。ともに初戦突破を目指したが、その結果は明暗に分かれた。日本女子のエースとしてグランドスラムでの結果が欲しい森田は、攻守のメリハリをつけたプレーで世界ランク76位のガイドソバにストレート勝ち。15歳のプロデビューから7年、成熟を感じさせるプレーで2年ぶりとなる2回戦進出を決めた。その一方、ラッキールーザーで本戦入りとなった土居だったが、試合序盤でのリードを生かせず、初戦敗退となった。 センターコートの第1試合に登場したディフェンディング・チャンピオンのノヴァーク・ジョコビッチは元王者のフアン・カルロス=フェレーロにストレートで勝利、大会連覇に向けて好発進を決めた。また今大会で優勝すれば世界ランク1位復帰となるロジャー・フェデラーは格下相手に圧勝、順調な仕上がり具合を見せた。 女子シングルスでは、生涯グランドスラムを達成したばかりのマリア・シャラポワが快勝、女王としての貫録をライバルたちにアピールした。また、世界ランク3位のアグニエシュカ・ラドワンスカ、サマンサ・ストザー、ナ・リーら強豪たちが順当に初戦を突破している。 大会2日目は、初日に引き続き男女シングルス1回戦が行われる。
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14番コート第1試合、日本のエース錦織圭がグランドスラムの舞台に帰ってくる。腹筋を痛め全仏オープンを回避した錦織だったが、その後のリハビリの成果もあり順調に回復、しっかりとウィンブルドンに照準を合わせてきた。第19シードとして臨む初戦の相手は世界ランク52位のククシュキン。過去の対戦成績は錦織が3戦3勝とリードしているが、今年の全豪オープンではトロイキ、モンフィスといった強豪を下して4回戦に進出している曲者。世界も注目する若手の一人である錦織が、ウィンブルドンでの初勝利を目指す。
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女子シングルスではクルム伊達公子が16番コートの第4試合に登場する。昨年の2回戦ではヴィーナス・ウィリアムズを相手に激戦を繰り広げ、世界に衝撃を与えたクルム伊達。41歳という年齢、左足の怪我に苦しみながらもウィンブルドンの舞台に帰ってきた。対戦するのは世界ランク66位のカテリナ・ボンダレンコ。かつてはトップ30にもいた強豪だ。両者は昨年のオークランド大会で唯一の対戦を行っており、その時はボンダレンコがストレートでクルム伊達を下している。
この他の試合では、日本勢から添田豪と伊藤竜馬が初戦突破を目指す。グランドスラムのシングルス初勝利がかかる添田はイゴール・クニツィンと、全仏オープンではアンディ・マレーを相手に鋭いショットを連発していた伊藤はルカス・クボットと対戦する。ともに勝つチャンスは十分にあるだけに、テニスの聖地で日本男児が躍動する姿に期待したい。 |
第3日
大会3日目見どころ/森田が2回戦! 初日とは打って変わり不安定な天気となった大会2日目、日本のテニスファンが待ち望んだニュースが飛び込んできた。腹筋の怪我から復帰した第19シードの錦織圭と3年連続の出場となった添田豪が揃って初戦を突破。意外にも錦織はこれがウィンブルドン初勝利。一方の添田はグランドスラム初出場を飾った2005年の全豪オープンから5年半、待ち望んだシングルス初勝利となった。伊藤竜馬もこの日の1回戦に登場したが、日没のために試合は中断、翌日に持ち越されている。 男子シングルスでは第2シードのラファエル・ナダル、第4シードのアンディ・マレーら優勝候補たちが次々と勝ち上がっている。それは女子シングルスでも同様で、ディフェンディング・チャンピオンのペトラ・クヴィトバをはじめ、第2シードのヴィクトリア・アザレンカ、第6シードのセリーナ・ウィリアムズなど優勝争いに絡んできそうな選手たちが勝ち残った。 大会3日目は前日から順延となった男女シングルス1回戦とトップハーフ2回戦、そして男女ダブルス1回戦が予定されている。
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男子シングルスでは、7度目の優勝を目指す芝の王者ロジャー・フェデラーが、1年ぶりにセンターコートに帰ってくる。対するは世界ランク68位のファビオ・フォニュイーニ。2010年の全豪オープン以来、メジャー無冠のフェデラー。しかし、今大会は優勝=世界ランク1位復帰がセットとなっているとあって、意気込みが違うようだ。フォニュイーニとは2007年に1度だけ対戦があり、ストレートで撃破しているだけに、この試合も快勝して弾みをつけたいところ。
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女子シングルスでは、森田あゆみが2回戦に登場する。2年ぶりに初戦を突破した森田。シーズン後半戦に向けて「いい流れ」を作るためにも、ここで3回戦に進出すればこれ以上ない弾みになる。対戦相手は第30シードのポン・シュアイ。ミスの少ない堅実なプレーが持ち味の選手。森田のポンの対戦成績は4勝1敗でポンがリードしている。
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1番コートでは第1シードのマリア・シャラポワがグラスコートにめっぽう相性がいいツベタナ・ピロンコバと対戦する。今大会でも好成績を残して一気に女王の座を盤石のものとしたいシャラポワだが、一昨年のベスト4、昨年のベスト8であるピロンコバと対戦となり、2回戦して早くも最初の試練が訪れた。両者の対戦成績は3勝0敗でシャラポワがリードしているが、芝での対決は今回が初めてとなる。24歳のピロンコバは、このウィンブルドンでウィリアムズ姉妹の両方から勝利を挙げている数少ない選手の一人。この曲者を相手にシャラポワがどういったプレーを見せるのか注目したい。
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第4日
大会4日目見どころ/錦織と添田が新たな歴史を作る! 熱戦が続く証明なのか前日から繰り越されたシングルス1回戦と2回戦が行われた大会3日目、日本女子が大会から姿を消した。1回戦に登場したクルム伊達公子。自ら「特別」と呼ぶ今大会、左足の状態に不安を抱えながらも試合に臨んだが、チャンスを生かすことが出来ずフルセットで敗退。善戦ではあるが、本人が一番悔しい思いをしているのは間違いないだろう。成長したテニスで初戦を突破していた森田あゆみは、第30シードのポン・シュアイと互角の打ち合いを繰り広げたが、一瞬の隙を突かれてストレート負け。しかし、堂々としたプレーぶりからは再浮上のきっかけをつかんだ予感をさせていた。 男子シングルスでは、42年ぶりにウィンブルドンを訪れたチャールズ皇太子夫妻が見守る中、王者の風格をまとうロジャー・フェデラーがファビオ・フォニュイーニを一蹴、自身7度目となる芝のタイトル獲得に死角がないことをアピールした。 一方の女子シングルスは波乱続きとなり、元女王で第7シードのキャロリーン・ウォズニアキがマッチポイントのチャンスがありながらも敗退、さらに第5シードのサマンサ・ストザー、第11シードのナ・リーなど、メジャーチャンピオン達も姿を消す結果となっている。 大会4日目は男女シングルス2回戦と、進行が遅れている男女ダブルス1回戦。
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男子シングルス2回戦には、聖地での初勝利を挙げたばかりの錦織圭が登場する。1回戦では、2ヶ月ぶりの実戦ということもあり、試合勘が取り戻せるか心配されたが、勝負所でのギアチェンジを含め試合が進むにつれてプレーのキレを増して快勝している。2回戦の相手は予選から勝ち上がってきた31歳のフロラン・セラ。現在の世界ランキングは137位ながら、かつては36位を記録したこともあるベテラン選手。順当にいけば錦織の勝利が濃厚だが、油断はできない。両者は2007年にツアー下部大会で対戦しており、当時18歳の錦織はストレートで敗れている。
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錦織に続いてシングルス2回戦に登場するのは、グランドスラム初勝利を飾った添田豪。錦織とは違い拠点を日本に置いたままでトップ100入りを果たした、まさに「メイド・イン・ジャパン」のトップ選手だ。対するは第9シードのフアン・マルティン・デル=ポトロと苦戦が予想されるが、グラスコート特有の低く滑るボールで198cmと長身のデル=ポトロの足元を攻めれば勝機はある。過去2度の対戦ではともにストレート負けを喫している添田だが、最後の対戦は2007年のこと。
女子シングルスでは、前日から試合を行っている第1シードのマリア・シャラポワがツベタナ・ピロンコバとの2回戦を再開するほか、第6シードのセリーナ・ウィリアムズがセンターコートでメリンダ・シンクを迎え撃つ。また、優勝争いの有力候補者からはディフェンディング・チャンピオンで第4シードのペトラ・クヴィトバ、第2シードのヴィクトリア・アザレンカらが3回戦進出を目指す。 この他の試合では、女子ダブルス1回戦にクルム伊達と藤原里華の日本代表ペアが登場するほか、ソラナ・シルステアとペアを組む森田あゆみも登場する。 |
第5日
大会5日目見どころ/4回戦へのサバイバル開始! 天気予報は雨ながらも快晴のもとで試合が行われた大会4日目、その結末は誰も予想していないものだった。この日のセンターコート最後の試合に登場した第2シードのラファエル・ナダル。対戦相手は世界ランク100位のルカ・ロクス。はたから見れば何も問題なくナダルが勝利すると思われたが、全てのボールを全力で強打するロクスのプレーの前にナダルは防戦一方となり、なすすべなく敗れた。ナダルが2回戦で敗退するのは、じつに2005年以来のことで、この結果がライバル達にどのような影響をもたらすのか? 日本男子陣からは第19シードの錦織圭と添田豪が登場、錦織は格下相手にベストではないものの勝ち切るプレーを展開、トップ選手としての貫録漂う姿を見せてくれた。一方の添田は第9シードのフアン・マルティン・デル=ポトロと強敵を相手に一歩も譲らない打ち合いを見せたが、最後は一瞬の隙を突かれ敗退となった。しかし、何か吹っ切れたようなプレーは、世界のトップに食らいつく意気込みが溢れ、トップ10を最後まで苦しめた。 女子シングルスでは、元女王のセリーナ・ウィリアムズを筆頭にマリア・シャラポワ、ヴィクトリア・アザレンカら上位陣が順当に勝利を収めている。 大会5日目はいよいよシード同士の対戦が始まる男女シングルス3回戦と、男女ダブルス1回戦と2回戦、そしてミックスダブルス1回戦が行われる。 センターコートで行われる男子シングルス3回戦には、第1シードのノヴァーク・ジョコビッチと第3シードのロジャー・フェデラーが登場する。ジョコビッチは第28シードのラデク・シュティエパネックと、フェデラーは第29シードのジュリアン・ベネトーと対戦となった。優勝争いの最有力候補の一人であったナダルが敗れた今、この2人のプレーに注目が集まるのは当然のこと。この2人のパフォーマンスがタイトル争いの鍵を握っている。
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この日に予定されている対戦で最も激戦が予想されるのは、第12シードのニコラス・アルマグロと第18シードのリシャール・ガスケの対戦。ともにベースラインから放つスピン系のボールで試合を展開する実力者だ。片手打ちのバックハンドを得意とし、チャンスと見るやフォアハンドで一気に攻撃に移るスタイルも似ている。両者の対戦成績は3勝0敗でアルマグロがリードしているが、芝での実績でいうと今大会ベスト4などの結果を残しているガスケが上。4回戦に進出するのは、果たしてどちらだろうか?
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女子シングルスでは、今シーズン限りでの引退を表明しているキム・クレイステルスが第12シードのベラ・ズヴォナレーワと対戦する。1回戦では第18シードのイェレナ・ヤンコビッチを下すなど、ラストチャンスに全てをかけているクレイステルス。迎え撃つのは2010年のファイナリストであるズヴォナレーワと、3回戦でも屈指の好カードとなった。両者の対戦成績は7勝3敗でクレイステルスがリードしているが、2010年からの対戦ではズヴォナレーワから3勝2敗となっている。
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第6日
大会6日目見どころ/錦織vsデル=ポトロ! ラファエル・ナダルの敗退から一夜明けた大会5日目、そのショックから覚めやらぬまま始まった1日は、劇的な終わり方だった。センターコート第3試合、ロジャー・フェデラーとジュリアン・ベネトーの対戦は、序盤から果敢に攻めたベネトーが2セットアップと連日の波乱を予感させる展開に。しかし、ツアーでも屈指の精神力を誇るフェデラーはこのピンチにも動ぜず、冷静にピンチを切り抜けながら逆転で勝利。グランドスラム33大会連続となる4回戦進出を決めた。また第1シードのノヴァーク・ジョコビッチも第1セットを落としたものの、ベテランのサーブ&ボレーヤーであるラデク・シュティエパネックを破っている。 女子シングルスでは、今シーズン限りでの引退を表明している元女王キム・クレイステルスが2010年のファイナリストであるベラ・ズヴォナレーワと対戦。試合序盤から激しい打ち合いを続けた両者だが、第2セット途中で呼吸困難になったズヴォナレーワが棄権、意外な形での決着ながら、クレイステルスが4回戦に駒を進めた。 大会6日目は、男女シングルスのボトムハーフ3回戦と男女ダブルス1回戦と2回戦、そしてミックスダブルス1回戦が行われる。
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男子シングルスでは、第19シードの錦織圭が第9シードのフアン・マルティン・デル=ポトロと対戦する。5月初めに腹筋を負傷し、その後の約2ヶ月間、リハビリとトレーニングに明け暮れていた錦織。復帰戦となった今大会では、ぶっつけ本番ながらも2試合を勝ち抜き、そのポテンシャルを遺憾なく感じさせてくれる。対するデル=ポトロは、2回戦では添田豪を撃破、3年連続となる3回戦進出を決めている。
22歳の錦織と23歳のデル=ポトロはジュニア時代からお互いを良く知る間柄であり、プロになってからは今回が3度目の対戦となる。初対戦となった2008年のUSオープンでは、これから世界への扉を開けたばかりの錦織に対し、4大会連続優勝という離れ技をやってのけ、一気にトップ選手の仲間入りを果たしていたデル=ポトロが力の差を見せつける形で勝利。2009年にも対戦があったが、怪我による休養に入る直前の錦織が敗れている。 2回戦の後に行われた会見では、デル=ポトロが錦織を「とても危険な選手」と警戒心をあらわにした一方、錦織は「(デル=ポトロは)芝が一番苦手」と静かに闘志を燃やしている。2週目への切符を掴むのは果たしてどちらだろうか? |
ミドルサンデー
ミドルサンデーのためお休みです。
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第7日
大会7日目見どころ/ベスト8に勝ち残るのは? 他のグランドスラムとは違いミドルサンデーが休みとなるウィンブルドン。その休みの前日となった大会6日目は、大会史上最も遅くまで熱狂が続く1日となった。男子シングルス3回戦、松岡修造以来17年ぶりとなる4回戦進出を目指した錦織圭であったが、第9シードのフアン・マルティン・デル=ポトロにストレートで敗退、トップ10の凄味の前に涙をのんだ。3回戦で敗れたものの、腹筋の怪我のために2ヶ月の実戦だったのにも関わらず、2試合に勝利、さらにトップ10であるデル=ポトロとも互角のラリーを展開したことを考えると、前向きにとらえられる結果となるだろう。 この日最後の試合となったアンディ・マレーとマルコス・バグダティスの一戦は、午後11時で試合終了というウィンブルドンのルールの壁すらも超えた劇的な結末を迎え、地元の期待を背負ったマレーが勝利、深夜にも関わらず、コートを熱狂が包み込んだ。 女子シングルスでは、セリーナ・ウィリアムズが芝でのプレーに定評がある鄭潔と対戦。第1セットを落としたセリーナは、第2セットを奪い返すと、ファイナルセットはお互いに譲らぬ一進一退の接戦になるが、最後は勝負所を見極めたセリーナが抜け出して4回戦進出を決めた。 ミドルサンデーをはさんで行われる大会7日目は、男女シングルス4回戦と男子ダブルスの2回戦と3回戦、女子シングルスの3回戦、ミックスダブルスの2回戦が予定されている。
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ベスト8をかけて争われる男子シングルス4回戦、第7シードのダビッド・フェレールと添田豪と錦織と立て続けに日本勢を下してきたデル=ポトロが対戦する。ともに今大会では4回戦が最高成績となっており、この試合に勝てば初のベスト8入りとなるだけに死力を尽くした戦いが期待できる。両者の対戦は4勝2敗でフェレールがリード。また唯一の芝での対戦でもフェレールが勝利している。
この他の男子シングルス4回戦では、ディフェンディング・チャンピオンで第1シードのノヴァーク・ジョコビッチが同胞のヴィクトル・トロイキと、今大会で優勝すれば世界ランク1位返り咲きとなる第3シードのロジャー・フェデラーがグザビエ・マリスと対戦する。
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女子シングルスでは、第2シードのヴィクトリア・アザレンカと第14シードのアナ・イバノビッチがセンターコートで激突する。ともにグランドスラムのタイトルホルダーであり、世界ランク1位も経験したことがある2人の対戦、今大会でも屈指の好カードとなった。両者の対戦成績は2勝2敗で五分となっており、芝での対戦は今回が初めてとなる。
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第8日
大会8日目見どころ/女子シングルス4強! ミドルサンデーから一夜明けた大会7日目、波乱続きだった1週目の余韻がまだ残っている2週目の幕開けとなった。男子シングルスでは7度目の優勝を目指すロジャー・フェデラーがセンターコートに登場したが、第1セット途中でコートを離れてメディカルタイムアウトを要求するという異常事態に。怪我による途中棄権という最悪の形は免れたものの、明らかに精彩を欠いたプレーに会場は不安に包まれる。しかし、これまでに数々の修羅場を経験してきたフェデラーらしく、使える武器を全て駆使して勝利。グランドスラム33大会連続ベスト8進出と、前人未到の記録をさらに更新した。 この他の男子シングルスでは、第1シードのノヴァーク・ジョコビッチと第26シードのミハイル・ヨージニがそれぞれベスト8入りを決めたが、アンディ・マレーを含むほかの試合は雨天のために順延となった。 女子シングルスではベスト8が出揃ったが、そこに第1シードのマリア・シャラポワの名前はないという結果となった。全仏オープンを制して生涯グランドスラムを達成し、今大会でも本命に推す声が多かったシャラポワであったが、強烈なサーブと思い切りの良い強打を武器とする第15シードのザビーネ・リシキの前にストレートで敗退となった。この他のベスト8には上位陣が順当に名前を連ねている。 大会8日目は雨で順延となった男子シングルス4回戦と女子シングルス準々決勝が予定されているほか、男女ダブルス3回戦、そしてミックスダブルスの2回戦が行われる。 ロンドン名物ともいえる雨の影響で順延となった男子シングルス4回戦、1番コートでは地元期待のアンディ・マレーとマリン・チリッチの試合が再開される。第1セットでは先にブレークを許しながらもセットを奪ったマレーは、第2セット3−1とリードを奪った時点で中断となった。前日の勢いを維持して押し切るのか、それともチリッチが中断を利用して試合の流れを変えるのか?再開直後の第2セットの結果が試合の鍵となる。
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女子シングルスではセンターコートで第4シードのペトラ・クヴィトバと第6シードのセリーナ・ウィリアムズが激突する。ともに今大会での優勝経験があり、強烈なサーブとストロークで相手を圧倒するプレースタイルが持ち味、さらに4回戦ではともにフルセット勝ちと共通点が多い両者の対戦は、事実上の決勝ともいえるくらいハイレベルな激戦が予想される。両者の対戦成績はセリーナの2戦2勝となっているが、いずれもクヴィトバが覚醒する前である2010年の対戦となっている。
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第9日
大会9日目見どころ/男子ベスト4が決定! 雨の影響で多くの試合が予定されていた大会8日目、この日も天候が心配されていたが、男子シングルス4回戦と女子シングルス準々決勝が無事に終了した。男子シングルスでは、地元の期待を背負うアンディ・マレーが高いポテンシャルを誇るマリン・チリッチをストレートで撃破、またジョー-ウィルフリード・ツォンガなど、確かな実力者たちがベスト8に名を連ねた。 女子シングルスでは、セリーナ・ウィリアムズ、アンジェリーク・クルベール、ヴィクトリア・アザレンカ、そしてアグニエシュカ・ラドワンスカがベスト4の座を手に入れている。これまでに多くの波乱が起きてきた女子シングルスだが、ここまで勝ち残った4人全員がトップ10と、勝つべきものが勝利している。 大会9日目は男子シングルス準々決勝と、スケジュールが遅れている男子ダブルス3回戦と女子ダブルス2回戦と3回戦、そしてミックスダブルスの2回戦と3回戦が予定されている。
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センターコート第1試合では、ロジャー・フェデラーとミハイル・ヨージニがベスト4の座をかけて対戦する。かつては5連覇を達成した芝の王者フェデラーも、ここ最近は2年連続でベスト8止まりと、思うような成績を残せていない。対するヨージニは、7度目の挑戦でようやく4回戦突破を決めた。両者の対戦成績は13勝0敗でフェデラーが圧倒している。
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続く第2試合では、ダビッド・フェレールとアンディ・マレーが激突する。ともにベースラインからのラリーを軸にオールラウンドなプレーを展開する両者、コートを隅々まで使った激しいラリー戦が期待できる。両者の対戦成績は5勝5敗で五分だが、グラスコートでの対戦は今回が初めてとなる。
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第10日
大会10日目見どころ/女子ファイナルの切符の行方は? 不安定な天候ながらも男子シングルス準々決勝が行われた大会9日目、ついに頂点の舞台を目指す4人の強者が顔を揃えた。最初に名乗りを挙げたのは、自身7度目のタイトルを狙う芝の王者ロジャー・フェデラー。曲者ミハイル・ヨージニを圧倒するプレーを見せつけ、3年ぶりとなるベスト4進出を決めている。そのフェデラーと準決勝で対戦することになったのが、第1シードのノヴァーク・ジョコビッチ。これまで数多くの対戦をしている両者だが、意外にも今大会での対戦は今回が初めてとなった。 もう一方の準決勝では、ジョー-ウィルフリード・ツォンガとアンディ・マレーが激突する。伏兵コールシュライバーと対戦したツォンガは、自慢の攻撃力でタイブレークを制して勢いに乗ると、最後は気落ちした相手を一気に突き放し、2年連続となるベスト4進出を決めた。一方のマレーは、世界ランク5位のダビッド・フェレールとの息が詰まるような試合を何とか勝ち抜き、4年連続のベスト4進出。地元ファンの期待に応えた。 大会10日目は女子シングルス準決勝と、男女ダブルス準々決勝、そしてミックスダブルスの3回戦と準々決勝が予定されている。
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センターコート第1試合では、第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカと第8シードのアンジェリーク・ケルバーが、ともにキャリア初となるメジャー決勝への切符をかけて対戦する。今シーズンは自己最高ランキングを更新するなど好調を維持している両者、今回は初のメジャータイトル獲得のまたとないチャンスとなった。両者の対戦成績は2勝2敗の五分だが、ラドワンスカは今回が初めてのメジャー準決勝の舞台となる。またケルバーにとって躍進のきっかけとなった昨年のUSオープンでは、2回戦でラドワンスカを破っている。
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センターコートで続いて行われる女子シングルス準決勝では、第2シードのヴィクトリア・アザレンカと第6シードのセリーナ・ウィリアムズが激突する。今年の全豪オープンを制し女王の座を獲得すると、前半戦で圧倒的な強さと安定感を見せていたものの、クレーシーズンで少し失速していたアザレンカ。得意とする球足の速いサーフェスで見事なベスト4進出を決めている。一方のセリーナは、事実上の決勝とうたわれた準々決勝でディフェンディング・チャンピオンのペトラ・クヴィトバをストレートで撃破している。両者の対戦成績は7勝1敗でセリーナがリードしている。
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第11日
大会11日目見どころ/スーパーフライデー! これまでとは打って変わり晴天に恵まれた大会10日目、女子シングルスの頂点を争う舞台を彩る主演女優が決定した。まず名乗りを挙げたのが第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカ。パワーテニスを得意とする選手が多い女子テニス界において、卓越した戦術眼でトップに定着した23歳。昨年のUSオープンから快進撃を続けているケルバーと対戦した彼女は、序盤は緊張からかリードを許したものの、第1セット途中からは終始に渡って試合をコントロール。見事、自身初となるグランドスラム決勝進出を果たした。 そのラドワンスカと決勝で対戦することになったのは、第6シードのセリーナ・ウィリアムズ。女子ツアーでは現役最多となる13度のメジャー制覇を果たしているセリーナは、現在最もグランドスラムの「勝ち方」を知っている選手と言える。準々決勝では前年女王のペトラ・クヴィトバを下しているセリーナは、今年の前半戦の主役だった第2シードのヴィクトリア・アザレンカと対戦、勝負所で抜群の集中力を見せたセリーナはウィンブルドンでは新記録となる1試合で24本のサービスエースを決め、7度目の決勝進出を決めた。 大会11日目は男子シングルス準決勝2試合がセンターコートで行われる。
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テニス選手にとって最高の舞台、ウィンブルドン決勝への切符をかけて行われる第1試合には、ディフェンディング・チャンピオンで第1シードのノヴァーク・ジョコビッチと第3シードのロジャー・フェデラーが登場する。幾度となくグランドスラムで雌雄を決してきた両者だが、意外にもウィンブルドンでの対戦は今回が初めてとなる。
大会連覇を狙うジョコビッチは、同胞のビクトル・トロイキと対戦した4回戦から調子を上げてきており、準々決勝ではフロリアン・マイヤーに快勝している。一方のフェデラーは、3回戦を2セットダウンからの逆転で勝利すると、4回戦では第1セット途中で腰を負傷しながら薄氷の勝利と調子が危ぶまれたが、準々決勝ではミハイル・ヨージニに圧勝、芝の王者は誰なのかをしっかりと世間にアピールした。 またこの試合は、決勝進出のほかに世界ランク1位の巡る戦いにもなった。ラファエル・ナダルの早期敗退によって世界ランク2位の座は確保したフェデラーであるが、この試合に勝利し、さらに今大会で優勝すれば、およそ2年ぶりとなる王座返り咲きとなる。 両者の対戦成績は14勝12敗でフェデラーがリードしているが、昨年のUSオープン準決勝からはジョコビッチの3連勝となっている。またグランドスラムでは過去10回の対戦があり、5勝5敗の五分となっている。世界中の注目を集めることが間違いないこの対戦、死闘の末に歓喜の瞬間を迎えるのは果たしてどちらか。
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続いて行われる第2試合では、第4シードのアンディ・マレーと第5シードのジョー-ウィルフリード・ツォンガが決勝への切符をかけて激突する。およそ80年ぶりとなる地元勢優勝の期待を背負い続けているマレーは、これで4年連続でのベスト4進出となる。しかし、いまだ決勝へはたどり着けていない。
今年のボトムハーフではナダルが早々に敗退する大波乱が起きた瞬間から、決勝への扉が勝ち残ったすべての選手にオープンとなった。特に、ここ2年は準決勝でナダルの後塵を拝していたマレーにとっては、またとないチャンス。ツォンガにとっても2008年の全豪オープン以来となるメジャー決勝進出がかかる。 両者の対戦成績は5勝1敗でマレーがリード。特筆すべきは、グラスコートで2度の対戦があり、そのいずれもマレーが勝利している。圧倒的なホームの後押しを受けるマレーに対し、完全アウェー状態での戦いを強いられるツォンガがどのようなプレーを見せてくれるのか。 |
第12日
大会12日目見どころ/女子ファイナル! 男子シングルス準決勝が行われた大会11日目、いずれも劣らぬ激戦の末に頂点の舞台にロジャー・フェデラーとアンディ・マレーがテニスで最も価値ある舞台に勝ち進んだ。センターコート第1試合に登場したフェデラーは、王者ノヴァーク・ジョコビッチを真っ向からねじ伏せ、芝の王者は誰であるかを世界に知らしめた。 イギリス中の期待を背負って第2試合に登場したマレーは、ジョー-ウィルフリード・ツォンガと対戦。序盤からツォンガの強打を封じ込めて一方的に試合を進めていくが、第3セットで見せた少しの油断から試合は混戦模様に。試合の流れが両者の間を行ったり来たりした第4セット、終盤で最後の力を振り絞ったマレーが一歩抜け出して勝利、地元勢としては74年ぶりとなる決勝進出を果たした。 大会12日目は女子シングルス決勝と男女ダブルス決勝が行われる。
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ついに迎えた女子シングルス決勝、今年の女子の頂点は第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカと第6シードのセリーナ・ウィリアムズで争われることとなった。世界ランク3位で23歳のラドワンスカは、今回が自身初となるグランドスラム決勝進出。対するセリーナは今大会だけでも7度目の決勝進出と、経験の差がハッキリある組み合わせとなった。
ここまでの勝ち上がりを見ると、ラドワンスカは準々決勝でマリア・キリレンコ、準決勝でアンジェリーク・ケルバーと、ともに勢いに乗っている選手達を破っている。一方のセリーナは、準々決勝でディフェンディング・チャンピオンのペトラ・クヴィトバ、準決勝では第2シードのヴィクトリア・アザレンカと実績のある実力者たちを退けてきた。 また女子テニス界の常識を変えたパワーテニスの先駆者でありトップランナーであるセリーナの強打に対し、特筆する武器はないながらも卓越した戦術眼とプレースメントショットでトップ選手となったラドワンスカ。プレースタイルでも対照的な2人の対戦は、今後の女子テニスの流れを見るうえでも興味深い試合になりそうだ。 両者の対戦成績は2勝0敗でセリーナがリードしているが、ともに2008年のことで、当時はトップとして君臨していたセリーナに10代のラドワンスカが挑戦するという形であったが、それから4年の月日が経過しており、全くの初対戦とみても差し支えないだろう。 |
第14日
大会最終日見どころ/史上最高の戦い 女子シングルス決勝が行われた大会12日目、ついに今年の芝の女王が決まった。今年の聖地で頂点に立ったのは元女王のセリーナ・ウィリアムズ。実に2年ぶりのメジャータイトル獲得となったセリーナは、これでキャリア通算14勝目となるグランドスラム優勝となった。一方で準優勝に終わったアグニエシュカ・ラドワンスカであるが、初めてのグランドスラム決勝ながらも百戦錬磨のセリーナから第2セットを奪う健闘を見せたが、残念ながら優勝とはならなかった。 大会13日目は男子シングルス決勝とミックスダブルス決勝が行われる。 ついにこの日がやってきた。全イギリス国民の悲願といってもいいウィンブルドンでの地元勢の優勝。そのまたとないチャンスを迎えたのは第4シードのアンディ・マレー。4度目となる準決勝進出で、初めて決勝進出を決めた。最高の舞台でタイトルを争うのは第3シードのロジャー・フェデラー。史上最多8度目の決勝進出を果たしている文字通り「芝の王者」、相手にとって不足はない。
対するフェデラーはこの2年間はグランドスラムのタイトルに恵まれていないものの、常にベスト4には顔を出す安定ぶり。そして今年は準決勝でディフェンディング・チャンピオンであるノヴァーク・ジョコビッチを下し、2年ぶり8度目の優勝を決めた。もし決勝でフェエラーが勝利すれば、キャリア通算17勝目、ウィンブルドン7勝目、そして世界ランク1位返り咲きと記録尽くしになる。 フェデラーとマレーはこれまでにハードコートで15度の対戦があり、マレーが8勝7敗で勝ち越している。しかし、芝での戦いは今回が初めてであるほか、5セットマッチで行われるグランドスラムでは、フェデラーが2戦2勝とリードしている。 |
ウィンブルドン2012 総括
総括
4年に1度のオリンピックを前に様々な憶測と注目を集めた今年のウィンブルドン。毎年のように最高のドラマを生んできたテニスの聖地は、史上最高にドラマチックな結末を迎えた。 ジョコビッチとナダルの2強時代といっても過言ではなかった男子テニス界。その2強に風穴を空けたのは、やはりロジャー・フェデラーだった。決勝の相手は地元勢として74年ぶりとなる決勝進出を果たしたアンディ・マレー、全てのプレッシャーを力に変えてきたマレーに対し、全盛期もかくやというような精密なショットを次々と決めたフェデラーがピート・サンプラスに並ぶ7度目のウィンブルドン制覇を成し遂げた。フェデラーはこれでメジャー17勝目、さらにジョコビッチ、ナダルを一気に抜いて2年ぶりに世界ランク1位の座を取り戻すという、記録づくしのフィナーレとなった。敗れたマレーは4度目のグランドスラム決勝ながら、あと一歩が届かなかった。表彰式での「近づいている。」という一言が印象的だった。
女子ダブルスでは女子テニス界最強といっても過言ではないウィリアムズ姉妹がノーシードからタイトルを獲得している。これでセリーナは3年ぶりの2冠達成。また姉妹で獲得したグランドスラムタイトルの数は13となり、ウィンブルドンでは5度目の優勝と、他を圧倒する力がまだあることを証明して見せた。 ミックスダブルスではダブルス巧者、そしてベテランであるマイク・ブライアンとリサ・レイモンドの2人がタイトルを獲得した。同じ会場で行われるオリンピックではミックスダブルスも久しぶりに行われることもあり、金メダルを獲得する前のビッグタイトルとなった。
これまでグランドスラムのシングルスでは勝ち星に恵まれなかった添田豪は、7度目の本戦挑戦にして嬉しい初戦突破を果たしている。今シーズンはオリンピックに照準を合わせて下部大会を中心にツアーを回っていた添田だったが、2回戦ではトップ選手であるデル=ポトロに対して堂々の打ち合いを披露、最後は力負けした感があるものの、トップに肉薄するポテンシャルがあることをしっかりとアピールした。 日本勢の3番手として頭角を現してきた伊藤竜馬であったが、今大会では2日間に渡る激闘の末に初戦敗退、聖地での初勝利とはならなかった。しかし、世界レベルでも通用するビッグサーブを持ち、苦しい状況を打開することもできるフラットショットの強打を武器とする伊藤が、このレベルでもコンスタントに戦える実力があることは皆が認めるところとなっただろう。 女子シングルスには、クルム伊達公子を筆頭に森田あゆみ、ラッキールーザーで2年連続の本戦入りを果たした土居美咲が登場したが、初戦を突破したのは森田のみとなった。昨年は2回戦でヴィーナスをあと一歩まで追い詰めたクルム伊達だったが、今年は左足の怪我もあるなかでの強行出場、綱渡りのような戦術をせざるを得なくなり死力を尽くしたものの初戦で姿を消した。 |