全豪オープン2008特集 TOP
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2008年大会の見所
男子では、オープン化以降初の3連覇を狙う第1シードのロジャー・フェデラーに注目だ。昨年は、全豪オープンでは1972年のケン・ローズウォール以来27年ぶりとなる全試合ストレート勝ちを決めて、完全優勝を達成している。
現在グランドスラム12勝をおさめている王者フェデラーには今年、ピート・サンプラスの14勝という最多記録を塗り替える期待がかかっており、まずはオーストラリアでの初戦をものにしたいところだ。
前哨戦棄権に追い込まれたウィルス性の腹痛が心配されるが、順当に勝ち上がれば準々決勝で、昨年決勝で顔を合わせたフェルナンド・ゴンサレスと対戦することになる。
第2シードは、クレー王のラファエル・ナダル。昨年は自己最高のベスト8に進出したが、今年は打倒王者を達成するためにも、昨年以上の結果を出したいところ。年始のチェンナイ・オープンでは、同胞の先輩カルロス・モーヤとの4時間に渡る熱戦を制して決勝に進んだが、ミハイル・ヨージニに敗れて準決勝に終わった。全豪に向けては1週間の調整期間を取っており、万全の体調で臨んでくることだろう。
昨年大躍進を果たしたセルビア勢の一角、ノヴァーク・ジョコビッチは第3シードで登場。昨年は4回戦でフェデラーにストレート負けを喫したが、その後はカナダ・トロントのマスターズ・シリーズで勝利して優勝するなど、王者のライバルに成長した。今年は年初のホップマンカップでセルビアの準優勝に貢献するなど好調で、初のベスト8進出を狙う。
また、四大大会ベスト4の常連になりつつある第4シードのニコライ・ダビデンコ、昨年ブレークした好リターナーのダビッド・フェレール、昨年4強に進出したアンディ・ロディック、2005年覇者で元王者のマラット・サフィン、地元期待のレイトン・ヒューイットら、実力派が打倒フェデラーを目指す。
新鋭では、フランス期待の星に成長したリシャール・ガスケ、ティム・ヘンマンの後を継いだ英国のエース、アンディ・マレー、トマス・ベルディフ、マルコス・バグダティスらが上位進出を狙う。
女子では、女王ジュスティーヌ・エナンが4年ぶり2度目の優勝を狙う。昨年は個人的な理由で欠場したが、その後は全仏オープン、USオープン、年末最終戦を含む年間10勝を達成し、2年連続の世界ランキング1位の座を手にした。 第1シードとして臨む今大会では、1回戦で日本の中村藍子を迎え撃つ。
昨年予想外の優勝を果たしたセリーナ・ウィリアムズは第7シードとして登場する。今年は年初のホップマンカップでアメリカを優勝に導いており、調子は上向き。第8シードの姉、ヴィーナス・ウィリアムズとともに、2003年以来の姉妹決勝対決を目指す。
女子テニスにも旋風を起こしたセルビア勢のイェレナ・ヤンコビッチ、アナ・イバノビッチは、全豪ではそれぞれ4回戦、3回戦とまだ結果が出せていないが、今年は第3シード、第4シードとして優勝候補に数えられている。
昨年準優勝のマリア・シャラポワ、スヴェトラナ・クズネツォワ、アナ・チャクエタゼらロシア勢も、虎視眈々と優勝を狙う。
その他、昨年復帰したリンゼイ・ダベンポート、ダニエラ・ハンチュコバ、マリオン・バルトリ、ニコレ・バイディソバらも上位進出を目指す。
日本勢では、四大大会55大会連続出場の杉山愛、森上亜希子、中村藍子が、それぞれ1回戦で強敵と当たるが、初戦突破を目指す。
第1日
センターコートの第1試合には、昨年世界81位から予想外の優勝を果たしたセリーナ・ウィリアムズが登場。格下のジャーミラ・ガイドソバにストレート勝ちした。少し緊張したというが、「まだ1回戦。前進あるのみよ。」と気持ちを切り替えていた。 続く第2試合では、4年ぶり2度目の優勝を狙うジュスティーヌ・エナンが日本の中村藍子と対戦。4年連続の3回戦進出を目指していた中村を難なく退けた。敗れた中村も、一時はリードを奪うなど、女王相手に健闘した。 また、昨年準優勝のマリア・シャラポワが快勝し、2回戦でのリンゼイ・ダベンポートとの試合に駒を進めた。第3シードのイェレナ・ヤンコビッチは、17歳のタミラ・パスゼックに何度もマッチポイントを握られつつも、逆転勝ちに成功している。 今大会で、四大大会55大会連続出場となっている杉山愛は、ベラ・ズヴォナレーワが第2セット途中で棄権したため、白星を手にした 男子シングルスでは、ラファエル・ナダル、ニコライ・ダビデンコ、アンディ・ロディック、リシャール・ガスケらが順当に勝ち上がった一方、第9シードのアンディ・マレーが同世代のJW・ツォンガに敗れ、まさかの初戦敗退に終わった。 また、1997年準優勝の元王者、カルロス・モーヤも1回戦で姿を消した。 |
第2日
まず、日本勢では、世界ランク49位の森上亜希子が、世界ランク33位と格上のミカエラ・クライチェックにストレート勝ちし、2年連続の2回戦進出を決めた。森上は全豪オープンではまだ2回戦の壁を破ったことがないが、3回戦進出を目指して、過去2戦2勝と相性の良い第27シードのマリア・キリレンコと対戦する。 その他の女子シングルスでは、グランドスラム初優勝を目指す第4シードのアナ・イバノビッチがストレート勝ちしたほか、第2シードのスヴェトラナ・クズネツォワ、第6シードのアナ・チャクエタゼ、第9シードのダニエラ・ハンチュコバらが順当に初戦を突破した。 また、2003年準優勝で第8シードのヴィーナス・ウィリアムズも、中国選手に手こずりつつも、2回戦進出を決めた。 一方で、第10シードのマリオン・バルトリ、第16シードのディナーラ・サフィーナ、第20シードのアグネス・サバイ、第22シードのルーシー・サファロバが初戦で姿を消すこととなった。 男子では、3年連続4度目の優勝を狙う王者ロジャー・フェデラーが圧勝し、大会前に患ったウィルス性の腹痛から回復したことをアピールした。 また、第3シードのノヴァーク・ジョコビッチ(昨年USオープン準優勝)、第5シードのダビッド・フェレール(昨年マスターズ・カップ準優勝)、第7シードのフェルナンド・ゴンサレス(昨年全豪オープン準優勝)、第15シードのマルコス・バグダティス(2006年全豪オープン準優勝)、第19シードのレイトン・ヒューイット(2005年全豪オープン準優勝)、マラット・サフィン(2005年全豪オープン優勝)らも、順当に2回戦に勝ち進んだ。 男子では、第17シードのイヴァン・リュビチッチ、第30シードのラデック・シュティエパネックらがシードダウンを喫している。
大会第2日の見どころ
大会2日目はセンターコートの第1試合に、昨年大躍進を果たしたセルビア勢、20歳のノヴァーク・ジョコビッチが登場する。対するは、2006年にアンドレ・アガシのラストマッチで勝利した26歳のベンジャミン・ベッカー。今回が初対戦となる両者だが、今大会初優勝を目指す第3シードのジョコビッチは、全力で勝ちにいくことだろう。ベッカーのビッグサーブをどのように料理するかに注目が集まる。 その他、センターコートで行われる男子シングルスでは、地元オーストラリアのレイトン・ヒューイットが第3試合に、3連覇を狙う王者ロジャー・フェデラーがナイト・セッションの第2試合に登場する。 また、昨年準優勝のフェルナンド・ゴンサレス、一昨年準優勝のマルコス・バグダティス、2005年覇者のマラット・サフィンら全豪オープン男が登場するほか、昨年最終戦マスターズ・カップで準優勝したダビッド・フェレール、ジェームズ・ブレーク、トマス・ベルディフ、ダビッド・ナルバンディアン、元王者のフアン・カルロス・フェレーロが初戦を迎える。 ノーシード勢では、前哨戦で好調だった地元オーストラリアのクリス・グシオネ、昨年USオープンで活躍した長身のジョン・アイズナー、期待の若手フアン・マルティン・デル=ポトロらが1回戦を行う。
クライチェックは昨年USオープンでベスト8に進んだ期待の若手で、サーブが武器。森上は得意の展開力で、試合のリズムをつかみたい。 また、昨季のウィンブルドンを制したヴィーナス・ウィリアムズがセンターコートのナイト・セッションで初戦を迎える。 その他の試合では、昨年USオープン準優勝のスヴェトラナ・クズネツォワ、昨年全仏オープン準優勝のアナ・イバノビッチ、昨年ウィンブルドン準優勝のマリオン・バルトリら、昨年のグランドスラム決勝で悔し涙を飲んだ面々が登場する。 それから、今後の女子テニス界を担うであろう若手、アグネス・サバイ、アニエスカ・ラドワンスカ、キャロライン・ウォズニアッキ、ルーシー・サファロバ、サニア・ミルザ、マリア・キリレンコも1回戦を行う。 |
第3日
女子シングルスでは、日本のエース、杉山愛が6年ぶりの3回戦進出を決めた。積極的な姿勢が功を奏し、攻守にわたって対戦相手のタティアナ・ペレビニスを圧倒し、課題と語ってきたサーブも好調だった。 4回戦進出をかけて、次の試合では第12シードのニコレ・バイディソバに挑む。 また、2回戦で実現した元女王対決、マリア・シャラポワ対リンゼイ・ダベンポート戦。試合は、昨年準優勝した第5シードのシャラポワが、昨年ツアー復帰したばかりのダベンポートに圧勝した。 その他の女子シングルス試合では、2度目の優勝を狙う第1シードのジュスティーヌ・エナン、第3シードのイェレナ・ヤンコビッチ、第7シードのセリーナ・ウィリアムズ、第11シードのエレーナ・デメンティエワ、第18シードのアメリ・モレスモが3回戦進出を決めた。 男子では、第2シードのラファエル・ナダル、第4シードのニコライ・ダビデンコ、第6シードのアンディ・ロディック、第8シードのリシャール・ガスケ、第14シードのミハイル・ヨージニが2回戦を突破している。 また、ダブルスでは日本勢の3選手が登場。第2シードの杉山愛/K・シュレボトニック組、中村藍子/タマリーン・タナスガーン組が初戦を突破したが、森上亜希子/アリーナ・イドコワ組は敗退した。
大会第3日の見どころ
女子シングルスでは、2回戦で早くも大会屈指の好カードが実現した。ともに元女王のマリア・シャラポワとリンゼイ・ダベンポート。第5シードのシャラポワに対して、昨年長男のジャガー君を出産してから11ヶ月ぶりに復帰し、ノーシードで臨んでいるダベンポートはいかに立ち向かうのだろうか。
世界ランク5位のシャラポワは、現在51位のダベンポートに4勝1敗とリードしている。今大会では3年連続でベスト4以上の成績をおさめているが、昨年は自身初の決勝でセリーナ・ウィリアムズの前に敗れており、今年は2年連続の決勝進出で初優勝を狙う。 シャラポワが準優勝1回という一方で、ダベンポートは2000年に優勝、2005年には準優勝を収めており、全豪での結果はダベンポートが一歩上か。しかもダベンポートは1回戦の勝利で、獲得賞金総額がシュテフィ・グラーフの持つ記録を抜いて歴代1位となっており、この記録を伸ばしたいところだ。 その他の女子シングルスでは、1回戦で日本の中村藍子を下した第1シードのジュスティーヌ・エナン、17歳のタミラ・パスゼックに苦戦を強いられた第3シードのイェレナ・ヤンコビッチ、昨年覇者で第7シードのセリーナ、一昨年覇者で第18シードのアメリ・モレスモが2回戦を行う。
昨年自己最高の4回戦に進んだガスケは、初のベスト8入りを目指す。一方のロペスは、スペイン勢ながら速いコートが得意はレフティで、積極的にサーブ&ボレーを仕掛けてくる。今年からプレクシクッションというサーフェスに変更になり、球足が速くなったコートを制するのはどちらの選手か? 全豪初優勝を狙う第2シードのラファエル・ナダル、昨年ベスト4のアンディ・ロディック、3年連続でベスト8に進んでいるニコライ・ダビデンコらが3回戦進出を狙う。 そして、初戦で第9シードのアンディ・マレーを破る波乱を起こしたJW・ツォンガが登場。昨年は1回戦でロディックに敗れていたが、前哨戦でベスト4に入って好調で臨んだ今大会では見事に初戦突破を決めており、2回戦では予選勝ちあがりのサム・ウォーバーグと対戦する。 またダブルスも1回戦が始まり、女子ダブルスには日本勢の杉山愛、森上亜希子、中村藍子の3人が登場する。 |
第4日
男子シングルスでは、3連覇を狙う第1シードのロジャー・フェデラーが、ベテランのファブリス・サントロに3ゲームし与えず圧勝し、順当に3回戦進出を決めた。また、グランドスラム初優勝を狙う若武者、第3シードのノヴァーク・ジョコビッチもシモーネ・ボレッリに快勝した。 また、第5シードのダビッド・フェレール、第7シードのフェルナンド・ゴンサレス、第10シードのダビッド・ナルバンディアン、第12シードのジェームズ・ブレーク、第13シードのトマス・ベルディフら、上位シード勢も3回戦に駒を進めた。 そして、32年ぶりのオーストラリア勢優勝を狙う第19シードのレイトン・ヒューイットもデニス・イストミンを3−1で下した。次の試合では、2005年覇者のマラット・サフィンを下した第15シードのマルコス・バグダティスと対戦する。 その他の試合では、第21シードのフアン・モナコ、第22シードのフアン・カルロス・フェレーロに加えて、新鋭のマリン・チリッチも勝ち進んだ。 女子シングルスでは、第2シードのスヴェトラナ・クズネツォワ、第4シードのアナ・イバノビッチ、第6シードのアナ・チャクエタゼ、第8シードのセリーナ・ウィリアムズ、第9シードのダニエラ・ハンチュコバらが、それぞれノーシード勢にストレート勝ちを収めた。 初の全豪3回戦進出を目指した森上亜希子は、過去2戦2勝と相性の良かった第27シードのM・キリレンコに1-6, 1-6で完敗した。 ダブルスでは、セリーナ&ヴィーナスのウィリアムズ姉妹ペアが順当勝ちし、2回戦に進出。大会第5日に、第2シードの杉山愛/カテリーナ・シュレボトニック組と対戦することになった。
大会第4日の見どころ
初戦で格上のミカエラ・クライチェック撃破に成功した森上亜希子は、第27シードのマリア・キリレンコと対戦する。
まだ全豪では2回戦を突破したことがない森上は、キリレンコには過去2戦2勝と勝ち越しており、初の3回戦進出が期待される。 キリレンコは過去2年連続で3回戦に進出しており、トップ20返り咲きのためにも負けられない一戦となる。 シード勢の試合では、第2シードのスヴェトラナ・クズネツォワが世界ランク94位のツベタナ・ピロンコバと、第4シードのアナ・イバノビッチが世界ランク40位のタティアナ・ガルビンと、第6シードのアナ・チャクエタゼは世界ランク154位の同胞アリサ・クレイバノワと対戦する。 また、初優勝を狙う第8シードのヴィーナス・ウィリアムズは、昨年マリア・シャラポワを苦しめたカミーユ・パンと顔を合わせる。 その他の試合では、第9シードのダニエラ・ハンチュコバ、第31シードのサニア・ミルザ、第28シードのカテリーナ・シュレボトニックらが登場する。
過去の対戦成績はサフィンの1勝0敗で、2006年にインドア大会のマドリッド・マスターズでサフィンがストレート勝ちした。 両選手とも今季は前哨戦のクーヨン・クラシックに出場し、ともに好感触を得ており、激戦が予想される。 そして、3年連続4度目の優勝を狙う王者フェデラーは、ベテランのファブリス・サントロと対戦する。両者の対戦成績はフェデラーの8勝2敗で、現在は王者が7連勝中。 シード勢では、第3シードのノヴァーク・ジョコビッチがシモーネ・ボレッリと、第5シードのダビッド・フェレールがフアン・マルティン・デル=ポトロと、第7シードのフェルナンド・ゴンサレスがイ・ヒュンタクと、それぞれ3回戦進出をかけて対戦する。 地元優勝の期待を背負う第19シードのレイトン・ヒューイットはデニス・イストミンと顔を合わせる。 また、第10シードのダビッド・ナルバンディアン、第12シードのジェームズ・ブレーク、第13シードのトマス・ベルディフも2回戦を行う。 そして、ダブルスでは、女子部門に過去2度の優勝を誇るウィリアムズ姉妹、セリーナとヴィーナスが登場。シングルスで敗退したリンゼイ・ダベンポートも、ハンチュコバとのペアで初戦を行う。 男子部門では、昨年ウィンブルドンを制したアルノー・クレマン/ミカエル・ロドラ組のほか、タイのラティワタナ兄弟も登場する。 |
第5日
また杉山はカテリーナ・シュレボトニックとの昨年グランドスラム準優勝ペアで、ウィリアムズ姉妹ペアに挑んだが、ストレートで散った。 一方で、台湾の謝淑薇(シェイ・スーウェイ)が初の4回戦進出を決め、地元オーストラリアのキャシー・デラクアが2006年覇者のアメリ・モレスモを破るなど、アジア勢の活躍が目立った。 その他の女子シングルスでは、4年ぶり2度目の優勝を狙う第1シードのジュスティーヌ・エナン、第3シードのイェレナ・ヤンコビッチ、昨年ファイナリストで第5シードのマリア・シャラポワ、昨年覇者で第7シードのセリーナ・ウィリアムズも順当に4回戦に駒を進めた。 男子シングルスでは、第2シードのラファエル・ナダル、第4シードのニコライ・ダビデンコ、第8シードのリシャール・ガスケらが4回戦に駒を進めた。 また、第14シードのミハイル・ヨージニも、第20シードのビッグサーバー、イヴォ・カルロビッチを退けて、自身2度目の全豪4回戦進出を決めている。 また、初戦で第9シードのアンディ・マレーを破ったジョー・ウィルフリード・ツォンガも勝った他、第23シードのポール・アンリ・マチュー、第24シードのヤルコ・ニエミネンも3回戦を突破した。
大会第5日の見どころ
全豪オープンはシングルスは2回戦が全て終了し、大会第5日から3回戦が始まり、シード勢同士の激突が始まる。
女子シングルスの注目試合は、6年ぶりの3回戦進出を決めた日本のエース・杉山愛と、昨年ベスト4に進んでいる18歳、第12シードのニコレ・バイディソバの一戦だ。 過去の対戦成績は杉山の1勝0敗。2006年に北京の大会で対戦し、杉山がフルセットでバイディソバを下している。しかし、それもバイディソバがトップ10入りを果たす前の話。 今大会では両者ともにまだセットを落としておらず、好調の選手同士、激しい戦いが予想される。伸びのある強打を武器としたバイディソバの攻めに、俊敏なフットワークが自慢の杉山はどこまでついていけるだろうか。 上位シードでは、2度目の優勝を狙うジュスティーヌ・エナンが、同じく片手打ちバックハンドの第25シード、フランチェスカ・スキアボーネと対戦する。2006年には世界ランク11位まで上昇したスキアボーネだが、対戦成績ではエナンが6勝0敗となっている。 その他の試合では、第3シードのイェレナ・ヤンコビッチが第30シードのビルジニー・ラッツァーノと、昨年準優勝で第5シードのマリア・シャラポワが同胞のエレナ・ヴェスニナと、昨年覇者の第7シード、セリーナ・ウィリアムズは新鋭ヴィクトリア・アザレンカとそれぞれ顔を合わせる。 また、第11シードのエレーナ・デメンティエワは第17シードのシャハール・ペアと、2006年覇者で第18シードのアメリ・モレスモは地元勢のキャシー・デラクアと、予選から勝ち上がった謝淑薇はノーシードのアラバン・レザイとの対戦となる。
過去の対戦成績は、ロディックの2勝0敗。全豪オープンでは2005年の4回戦で対戦したことがあり、その時は6-3, 7-6(6), 6-1でストレート勝ちしている。 3度のベスト4進出を誇るビッグサーバーのロディックが順当勝ちするのか、それとも伏兵コールシュライバーが波乱を起こすのか。 上位シードの試合では、第2シードのラファエル・ナダルが第28シードのジル・シモンと、第4シードのニコライ・ダビデンコがマーク・ジケルと、第8シードのリシャール・ガスケが第31シードのイゴール・アンドレエフと対戦する。 その他の試合では、2度目の4回戦進出を目指す第14シードのヨージニが、昨季大成長を果たした第20シードのイヴォ・カルロビッチと、第24シードのヤルコ・ニエミネンが好調マーディ・フィッシュと、第23シードのポール・アンリ・マチューは、ステファン・クーベックと顔を合わせる。 そして、初戦で第9シードのアンディ・マレーを破った22歳のジョー・ウィルフリード・ツォンガは、同じくノーシードのギエルモ・ガルシア=ロペスと対戦する。
第2シードの杉山愛/カテリーナ・シュレボトニック組は、過去2度の優勝を誇るセリーナ&ヴィーナス・ウィリアムズ姉妹と激突。4人ともシングルスで勝ち残っており、ハイレベルな戦いが予想される。 そして、中村藍子/タマリーン・タナスガーン組は、第10シードのアナベル・メディーナ=ガリゲス/ビルヒニア・ルアノ=パスクアル組に挑戦する。 |
第6日
大会第6日の見どころ
全豪オープンは大会6日目のシングルス3回戦の残りの試合を行い、ベスト16が出揃うことになる。
女子シングルスはボトムハーフで順当に勝ち上がってきた上位シード勢と下位シード勢とが激突し、4回戦進出をかけて激しい火花を散らす。 3年ぶりの8強入りを目指す第2シードのスヴェトラナ・クズネツォワは、新鋭のアニエスカ・ラドワンスカに胸を貸す。両者は昨年3度対戦し、いずれもクズネツォワが勝っているが、そのうち2度のハードコート大会はフルセットにもつれている。 2年連続の4回戦進出を狙う第4シードのアナ・イバノビッチは、カテリーナ・シュレボトニックを迎え撃つ。両者は過去3度の顔合わせで、イバノビッチが今大会前哨戦のシドニーを含め全勝している。 昨年ベスト8に進んでいる第6シードのアナ・チャクエタゼは、初の4回戦進出を狙うマリア・キリレンコとのロシア勢対決に臨む。2005年の初対戦でキリレンコが勝った以降は、チャクエタゼが3連勝中。 2003年に準優勝している第7シードのヴィーナス・ウィリアムズは、ハードヒットが武器のサニア・ミルザと対戦。2005年に一度だけハードコート大会で対戦し、ヴィーナスがストレートで快勝している。 その他の試合では、第9シードのダニエラ・ハンチュコバがビルヒニア・ルアノ・パスクアルと、第14シードのナディア・ペトロワが同胞のエカテリーナ・マカロバと、第24シードのリー・ナがマルタ・ドマホウスカと、新鋭キャロリーン・ウォズニアキが予選勝ちあがりのザビーネ・リシキとそれぞれ対戦する。
まず、フェデラーはセルビア勢の一角、好調のヤンコ・ティプサレビッチと対戦する。両者は2006年のデビスカップ・プレーオフで一度だけ顔を合わせ、その時はフェデラーがストレートで勝利している。 昨年フェデラーとナダルを下してマスターズ・シリーズ2大会を制した第10シードのダビッド・ナルバンディアンは、元王者で、元全仏オープン覇者の第22シード、フアン・カルロス・フェレーロと対戦する。今回が4度目の対戦で、ここまで2勝2敗となっている。 悲願の地元優勝を狙う第19シードのレイトン・ヒューイットは、2回戦でマラット・サフィンをフルセットで下し波に乗る第15シードのマルコス・バグダティスと激突。全豪2005年準優勝のヒューイットと、2006年準優勝のバグダティスは2度目の対戦で、2006年ウィンブルドン準々決勝ではバグダティスに軍配が上がっている。 『ポスト・フェデラー』と呼ばれ、その才能を高く評価されている第13シードのトマス・ベルディフは、昨年クレーコートでナダルに次ぐ好成績を残し、急激に成長してきた第21シードのフアン・モナコと初対戦する。 このほかの試合では、ジョコビッチがアメリカ期待の星サム・クエリーと、フェレールがこちらもアメリカ勢のヴィンセント・スペーディアと対戦。 また、昨年ファイナリストで第7シードのフェルナンド・ゴンサレスは、クロアチアの新星マリン・チリッチと、第12シードのジェームズ・ブレークはベテランのセバスチャン・グロージャンと、それぞれ対戦する。 |
第7日
大会第7日の見どころ
全豪オープンは大会第7日に、前日に消化できなかった残りのシングルス3回戦と4回戦が行われる。
女子シングルスは、トップハーフの上位シード勢がベスト8進出をかけて、それぞれに流れを掴んで勝ち上がってきた格下の挑戦を受けることになる。
先週キャリア40勝目を達成した女王エナンに対し、謝は現在世界ランク158位。昨年はダブルスで2勝した謝がどこまで食い下がれるかに注目。 初のベスト8進出を第3シードのイェレナ・ヤンコビッチは、3回戦で2006年覇者のアメリ・モレスモを破った地元オーストラリアのキャシー・デラクアとの対戦。 両者は昨年のバリの大会で1度戦っており、その時はヤンコビッチが6-4, 6-4でストレート勝ちした。ヤンコビッチは、地元観客の大声援を受けるデラクアの左利き特有の弾道と粘りを攻略できるか。 2年連続の決勝進出、そして初優勝を目指す第5シードのマリア・シャラポワは、同胞のエレーナ・デメンティエワとの顔合わせ。 両者は今回が10回目の対戦で、ここまではシャラポワが7勝2敗と大きく勝ち越している。今大会の失セット数が0のシャラポワに、元四大大会ファイナリストのデメンティエワはいかに立ち向かうのか。 2年連続4度目の優勝を目論む第7シードのセリーナ・ウィリアムズは、第12シードの18歳、ニコレ・バイディソバの挑戦を受ける。 セリーナは昨年、バイディソバと3度対戦し、全豪オープン準決勝を含めて全勝している。杉山愛を下して波に乗るバイディソバは波乱を起こせるか。 その他、大会第6日に雨天順延となった3回戦の、第9シードのダニエラ・ハンチュコバVSビルヒニア・ルアノ・パスクアル戦、第14シードのナディア・ペトロワVSエカテリーナ・マカロバ戦、第24シードのリー・ナVSマルタ・ドマホウスカ、キャロリーン・ウォズニアキVSザビーネ・リシキ戦が予定されている。
前日に順延となった3回戦では、第10シードのダビッド・ナルバンディアンが元全仏オープン覇者の第22シード、フアン・カルロス・フェレーロと対戦する。今回が4度目の対戦で、ここまで2勝2敗となっている。 全豪初制覇を狙う第2シードのラファエル・ナダルは、好調フランス勢の1人、第23シードのポール・アンリ・マチューと対戦。 ここまでの対戦では、ナダルが6戦全勝しているが、マチューも2試合でフルセットに持ち込んだことがあり、チャンスを活かしたいところ。 過去3年連続でベスト8に進んでいる第4シードのニコライ・ダビデンコは、第14シードの同胞、ミハイル・ヨージニとロシア勢対決を行う。 デビスカップのチームメイトでもある両者は、過去3度対戦し、ダビデンコが全勝している。ヨージニは勝利してロシア男子トップの座を奪いにいきたい。 昨年ウィンブルドンでベスト4入りし、ブレークした第8シードのガスケは、今大会絶好調のジョー・ウィルフリード・ツォンガとフランス勢対決。 この2人は昨年3度顔を合わせて、ガスケが2勝1敗と勝ち越している。ともにトップを目指す活きの良い若手同士の対戦は激戦が必至だ。 3回戦で第6シードのアンディ・ロディックを撃破した第29シードのフィリップ・コールシュライバーが、第24シードのヤルコ・ニエミネンと対戦。 両者は過去6度対戦し、ニエミネンが4勝2敗とリードしているが、最近の2試合ではコールシュライバーが連勝している。前哨戦を制して好調のコールシュライバーが勢いを持続するか。 その他、第5シードのダビッド・フェレールがアメリカのヴィンセント・スペーディアと対戦する。 |
第8日
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第9日
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第10日
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第11日
大会第11日の見どころ
いよいよ大詰めを迎えている全豪オープンは、大会第11日に女子シングルス準決勝2試合と男子シングルス準決勝の1試合とを行う。
女子シングルス準決勝の第1試合では、2年連続の決勝進出、そして初優勝を狙う第5シードのマリア・シャラポワが、セルビアのファイター、第3シードのイェレナ・ヤンコビッチと対戦する。 シャラポワは準々決勝で、優勝候補の筆頭、第1シードのジュスティーヌ・エナンに完勝し、2006年USオープン以来のグランドスラム優勝にまた一歩近づいた。 一方のヤンコビッチは1回戦で大苦戦を強いられたが、その後は順当に勝ち上がり、準々決勝では昨年覇者のセリーナ・ウィリアムズをストレートで退けた。 過去の対戦成績はシャラポワの3勝1敗。しかし、直近の対戦となった芝コートの大会では、ヤンコビッチが4-6 6-3 7-5で逆転勝ちしている。 第2試合では、新女王候補で第4シードのアナ・イバノビッチは、昨年トップ10復帰を果たした第9シードのダニエラ・ハンチュコバとの顔合わせ。 今大会が始まるときに発表された世界ランクで自己最高の3位に上昇したイバノビッチは、準々決勝のヴィーナス・ウィリアムズ戦までで1セットも失わない完璧な勝ち上がりを見せている。 一方のハンチュコバは、マリア・キリレンコ、アニエスカ・ラドワンスカといった好調の若手を下し、トップ10にいた2003年当時の強さを取り戻したかに見える。 両者は昨年3度対戦し、イバノビッチが2勝1敗とリードしているが、獲得セット数では4対3と近接している。
全仏王者のラファエル・ナダルが今大会ダークホースのジョー-ウィルフリード・ツォンガと対戦する。第2シードのナダルに対して、ツォンガはノーシードから勝ち上がってきた。 今大会1セットも落としていないナダルだが、まだ上位シードとの対戦は無く、苦戦したのは1回戦の予選勝者ビクトル・トロイキ戦くらいか。それでもハードコートの四大大会で初めてのベスト4に進んできたことに自信を深めている。 一方のツォンガは、1回戦で第9シードのアンディ・マレーを下して波に乗ると、4回戦では第8シードのリシャール・ガスケを破り、準々決勝では第14シードのミハイル・ヨージニに勝利し、今大会の勝ち上がりがまぐれではない事を証明した。 両者の過去の対戦成績はナダルの1勝0敗で、昨年のUSオープン3回戦でナダルが7-6(3) 6-2 6-1で勝っている。 また、大会第11日には車いすテニスの試合も行われ、単複2連覇を狙う世界ランク1位の国枝慎吾のほか、斎田悟司、八筬美恵らが登場する。 |
第12日
大会第12日の見どころ
大会第12日には、男子シングルス準決勝が行われ、史上最強の呼び声高い王者と、王座奪回を目指す新鋭が激突する。
3年連続4度目の優勝を狙う第1シードのロジャー・フェデラーが、グランドスラム初制覇を目指す第3シードのノヴァーク・ジョコビッチと対戦する。 大会前にはウィルス性の腹痛で、前哨戦のエキシビション・マッチを棄権したフェデラーだが、いざ始まってみると快勝で初戦を突破。3回戦ではジョコビッチと同じくセルビア勢のヤンコ・ティプサレビッチにフルセットの大苦戦を強いられたが、それでも勝ちをものにしたところは流石王者といえる。その後も、4回戦でトマス・ベルディフ、準々決勝でジェームズ・ブレークとシード勢をストレートで倒しており、完全に復調した様子だ。 一方のジョコビッチは、年始にホップマンカップでセルビアを準優勝に導いた後、今大会では全試合ストレート勝ちを続けてきている。特に、地元の大声援を受けるレイトン・ヒューイットや、昨年末の最終戦で敗れたダビッド・フェレールをねじ伏せたことは自信になっているだろう。 両者は過去6度対戦し、フェデラーが昨年のUSオープン決勝を含め、5勝1敗と勝ち越している。しかし、ジョコビッチも、昨夏にカナダ・トロントで行われたハードコートのマスターズ大会で、王者を下して優勝しており、夏のオーストラリアでそれを再現する気でいるだろう。 この日は日本勢も登場する。 まず、車いすテニスの部で、単複2連覇を狙う国枝慎吾が登場。シングルスでは、準決勝でS・ウーデ(フランス)と対戦する。また、ダブルスでは、第1シードの斎田悟司とのペアで、第2シードのR・アメルラーン/R・フィンクのオランダペアと対戦する。 そして、ジュニアの部では、土居美咲がダブルス決勝に登場する。土居は昨年ウィンブルドン・ジュニアでも奈良くるみと組んで決勝に進んでおり、初のグランドスラム制覇を狙う。 |
第13日
大会第13日の見どころ
大会第13日は、今年の全豪女王を決める女子シングルス決勝が行われる。
今年の顔合わせは、元女王で昨年ファイナリストのマリア・シャラポワが、快進撃を続けるセルビア勢の女子エース、アナ・イバノビッチという20歳同士となった。 第5シードのシャラポワは、準々決勝で第1シードのジュスティーヌ・エナンを、準決勝で第3シードのイェレナ・ヤンコビッチを下しており、世界1位だったころの強さを取り戻したかに見える。今大会では、2004年のウィンブルドン、2006年のUSオープンに続く3回目の四大大会優勝を狙う。 第4シードのイバノビッチは、大会前に自己最高の世界ランク3位に上昇し、今大会でも準々決勝で第8シードのヴィーナス・ウィリアムズ、準決勝で第9シードのダニエラ・ハンチュコバと強豪をなぎ倒してきた。これが昨年の全仏オープンに続く2度目のグランドスラム決勝で、初の制覇を狙っている。 両者の対戦成績は2勝2敗。昨年は3度対戦し、2月の東レPPOではシャラポワが途中棄権し、全仏オープン準決勝ではイバノビッチが6-2, 6-1で勝利。年末のツアー最終戦では6-1, 6-2でシャラポワに軍配が上がっている。 ともに全豪初制覇を狙う美女同士の戦いの行方やいかに? また、男子ダブルスも行われ、昨年ウィンブルドン覇者の第7シードのアルノー・クレマン/ミカエル・ロドラ組が、第8シードのジョナサン・アーリック/アンディ・ラム組と対戦する。 そして、車いすテニス部門の男子決勝には、前日のダブルス制覇を決めた世界ランク1位の国枝慎吾が登場し、2連覇に向けてマイケル・イェレミアスと顔を合わせる。 |
第14日
大会第14日の見どころ
大会最終日の27日には、男子覇者を決めるべく男子シングルス決勝が行われる。
今回の決勝は、久々に世界ランク1位と2位の姿がない。第1シードの王者フェデラーを倒し、トップハーフを制したのはセルビアの若武者、第3シードのジョコビッチだ。そして第2シードのクレー王ナダルを屈服させ、ボトムハーフから勝ち上がったのはノーシードのツォンガと、いずれが勝ってもニューヒーロー誕生の瞬間を目にすることになる。 女子シングルスで準優勝したイバノビッチやベスト4に進んだヤンコビッチなど、大躍進を果たしたセルビア勢の男子エースで、20歳のジョコビッチ。昨年は世界ランク3位に上昇し、王座奪取の機会を狙ってきたが、全仏、全英では準決勝でナダルに、全米では決勝でフェデラーに屈した。しかし、今回はその2人が不在の決勝で、初の四大大会制覇の目前というところまで到達した。 今大会のジョコビッチは、4回戦で元王者ヒューイットを、準々決勝で第5シードのフェレールを、準決勝でフェデラーを全てストレートで下し、未だ1セットも落とさず好調を続けている。 一方のツォンガは22歳の新鋭で、最近ではガスケ、モンフィスといった若手が台頭してきたフランス勢の1人。2006年には200位台だったが、昨年トップ100入りを果たし、急成長を遂げてきた。全仏王者のヤニック・ノア以来のスター誕生を待ちわびてきたフランスにとっては思いもかけない新星の登場だろう。四大大会はこれが5大会目の出場で、過去の最高成績は昨年ウィンブルドンの4回戦だった。 今大会では、1回戦で第9シードのマレー、4回戦で第8シードのガスケ、準決勝で第2シードのナダルと、同世代のライバル達を蹴散らし、ノーシード選手としては2006年のバグダティス以来の決勝進出を果たした。 両者は今回が初対戦。ジョコビッチは7度目の、ツォンガは初めてのツアー優勝を狙う。世界王座奪取を狙うジョコビッチか、古豪フランス期待の星ツォンガか、どちらに軍配があがるのだろうか。 そして、男子シングルス決勝に先駆けて、ミックスダブルスの決勝も行われ、第5シードのスン/ジモンイッチ組が、ノーシードのミルザ/ブパティ組と顔を合わせる。 |
総括
オリンピック・イヤーの2008年、テニス界の幕開けを飾る四大大会初戦の全豪オープンは、男女シングルスともに20歳の新チャンピオンが誕生し、フレッシュな顔ぶれが活躍する大会だった。さらに王者・女王の敗北、セルビア勢の勢力拡大や若手の台頭など、女子のみならず男子も戦国時代に入ることを十分に予感させたのではないだろうか。
昨年の全仏、全英でベスト4、全米では準優勝と着実にステップアップしてきたジョコビッチ。今回は準決勝で、その全米決勝でストレート負けを喫したフェデラーを破り、見事雪辱を晴らした。 そして決勝では、ノーシードから快進撃を見せてきたツォンガに1セットダウンから逆転勝ちし、セルビア人として初のグランドスラム・チャンピオンに輝いた。 また、22歳のツォンガは今大会がわずか5回目の四大大会参戦ながら、今大会でその才能を開花させた。屈強な身体から放つ豪快なサーブと強烈なフォアハンドで、準決勝ではナダルをストレートで退けるなど、4人のシード選手を破った。 32年ぶりの地元優勝の期待を背負ったヒューイットは3回戦でバグダティスと元ファイナリスト対決を行い、深夜前から朝方まで4時間45分も続いた死闘を制したが、4回戦でジョコビッチの餌食となった。 その他ロディック、サフィン、ゴンサレスら人気選手も上位進出はならず、ロディックは好調コールシュライバーに、サフィンはバグダティスに、ゴンサレスは18歳のチリッチに敗れ去った。 また、今大会ではジョコビッチ以外の男子セルビア勢の活躍も目立ち、ティプサレビッチが3回戦でフェデラーをフルセットに追い込み、トロイキが1回戦でナダルに冷や汗をかかせるなど、今後の飛躍が楽しみな存在が増えた。 これで2004年のウィンブルドン、2006年のUSオープンに続く3つめの四大大会タイトルを獲得したシャラポワは、生涯グランドスラム達成に全仏オープン優勝を残すだけ。全仏では昨年ベスト4に進んでおり、早ければ今年中の実現もありうる。また、北京五輪での金メダルも狙っており、グラーフ以来のゴールデンスラムと夢は広がる。 イバノビッチは、昨年の全仏オープンに続く準優勝に終わったものの、準々決勝でヴィーナス・ウィリアムズをストレートで、準決勝でハンチュコバを逆転で下し、一回り成長した姿を見せた。 また、同じくセルビア勢のヤンコビッチは、1回戦であわや敗北というところから挽回し、怪我を抱えつつも3度目の四大大会ベスト4進出を決めた。 昨年覇者のセリーナと昨年全英覇者のヴィーナスは、シングルスではそれぞれベスト8に終わったが、北京五輪出場を睨んだダブルスで久々にヴィーナス姉妹ペアとして登場するなど話題を提供した。 女子ダブルスでは、アロナ&カテリナのボンダレンコ姉妹が、初優勝。シャハール・ペア、ヴィクトリア・アザレンカとの若手ペア対決を制した。 混合ダブルスでは、スン・ティエンティエン、ネナド・ジモンイッチ組が、サニア・ミルザ、マヘシュ・ブパティ組を退けて優勝した。 森上亜希子は2回戦に進出したが、またも3回戦の壁を破れず。中村藍子は初戦で第1シードのエナンと対戦し、随所に良いプレーを見せたが惜敗した。 また、予選には男女合わせて12人の日本勢が出場した。男子では鈴木貴男、添田豪、本村剛一が初戦敗退。女子では、森田あゆみが予選決勝に、波形純理と岡本聖子が2回戦に進出した。藤原里華、瀬間友里加、浜村夏美、米村明子、飯島久美子、久松志保は1回戦敗退に終わっている。 ジュニアでは、土居美咲が昨年のウィンブルドン・ジュニア続く女子ダブルスで準優勝をおさめた。また、土居はシングルスでは3回戦に進出し、男子でもロンギ正幸、守屋宏紀が3回戦に勝ち進んだ。 このほか、女子では山外涼月、井上雅、大竹志歩が、男子では江原弘泰、松尾友貴が出場した。 昨年車いすテニス初の年間グランドスラム制覇を成し遂げた国枝は、シングルスでは格の差を見せ付けて優勝し、ダブルスでは斎田悟司とのゴールデンペアで優勝。北京パラリンピックに向けて弾みをつけた。 斎田はシングルスで準々決勝に進出し、女子では八筬美恵が2回戦に進出した。 |