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17歳バイディソバが初の4強進出 ヴィーナスに逆転勝ち

(フランス、パリ)

全仏オープン大会10日目、この日は女子シングルス準々決勝が行われ、17歳N・バイディソバ(チェコ共和国)が、昨年のウィンブルドン覇者で今大会第11シードのV・ウィリアムズ(アメリカ)を下し、ベスト4進出を決めた。

試合序盤こそ、サーブの入りが悪く第1セットを6-7で落としたバイディソバだったが、その後は強気の攻めを展開し、6-1、6-3と2セット連取の逆転でヴィーナスに勝利し、4大大会初のベスト4入りを決めた。バイディソバは、4回戦で世界1位のA・モレスモ(フランス)を破ったのに続く金星。

勝利インタビューでバイディソバは、「本当に興奮している。クレーが得意というわけでもないのに、世界最強のプレーヤーを2人も続けて破ったのだから正直驚いているの。この勝利は間違いなく自信につながるわ。」と話していた。また、幼いころヴィーナスに憧れ、ヴィーナスモデルのラケットでプレーしていたとも明らかにした。「私は彼女(ヴィーナス)の攻撃的なプレースタイルをとても尊敬しているの。」

一方、惜しくも準決勝進出を逃したヴィーナスは、「ここ数ヶ月、身体的にとても厳しい状況にありました。でもなんとか全仏オープンにこうして出場できたことを私は誇りに思っています。」と語り、敗戦を素直に受け止めていた。またバイディソバについては、「彼女は素晴らしいプレーをした。いま凄く波に乗っているわね。」と話していた。

フロリダのニック・ボロテリー・テニスキャンプで育ったバイディソバは、そのバックグランドがM・シャラポワ(ロシア)と似通っていることもあり、ことあるごとに比較されてきたが、当の本人は、「シャラポワ2世だなんて思っていない。私は私以外の誰でもない。」と強気に語る。才能にあふれた17歳の快進撃がどこまで続くのか注目が集まるところ。バイディソバは決勝進出をかけ、D・サフィーナ(ロシア)とのロシア人対決を制したS・クズネツォワ(ロシア)と準決勝で対戦する。

サフィーナ対クズネツォワの準々決勝は、今大会好調のサフィーナが5-1と序盤大きくリードを奪うものの、地力に勝るクズネツォワが第7ゲームで初めてサービスキープに成功し、その後徐々にペースを掴み反撃に成功。第1セットを7-6で奪うと、第2セットは気落ちしたサフィーナを一気に攻め立て6-0でセットを奪取し試合を決めた。

ベスト4入りを決めたクズネツォワは、「(ゲーム序盤の不調は)すべては精神的なものだったと思う。彼女(サフィーナ)が打ってくるボールをコートに打ち返すことすら出来なかった。まるでジュニア選手のようなありさまで、本当に惨めな気持ちでいっぱいだったわ。でもこんな形で大会を去りたくないって思ったから、マイナスに物事を考えずに目の前のゲームにだけ集中するよう心がけたの。」と、冷静に試合を振り返っていた。

(2006年6月7日0時06分)
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