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ナルバンディアン棄権 フェデラーが初の全仏決勝進出

(フランス、パリ)

全仏オープン大会13日目、男子シングルス準決勝で、今大会第1シードのR・フェデラー(スイス)と第3シードのD・ナルバンディアン(アルゼンチン)が対戦した。試合は、3-6, 6-4, 5-2とフェデラーがリードした場面で、ナルバンディアンが腹筋を痛めて棄権したため、フェデラーが初の決勝進出を決めた。

両者はジュニア時代からライバルで、生涯対戦成績では6勝5敗でナルバンディアンが勝ち越していたが、ここ5回の対戦では4勝1敗でフェデラーがリードしていた。

試合は、開始早々、ストロークが冴えるナルバンディアンが、通常ならウィナーとなるフェデラーのショットをことごとく切り替えし、試合の主導権を握る。スロースタートのフェデラーを尻目に一気に第1セットを奪い勢いに乗ると、続く第2セットも3−0と大きくリードを奪う猛攻を見せた。しかしここで黙っていないのが世界ランキング1位のフェデラー。ナルバンディアンの攻撃に対し、緩急を織り交ぜたプレーでペースを掴み試合の流れを引き戻してセットオールに持ち込む。

両者一歩も譲らぬ緊迫した展開が続く中、第3セットでナルバンディアンが腹筋を痛めるというアクシデントが起きてしまう。ナルバンディアンは、ベンチに下がりトレーナーやドクターと相談したが、第7ゲーム終了時にこれ以上のプレーは無理と判断し、棄権を申し入れた。

フェデラーは、試合終了直後のコートサイド・インタビューで、「ナルバンディアンが棄権したのはとても残念だ。でも第2セット途中まで彼はとても良かった。僕自身第1セットは酷かったし、なかなかリズムがつかめなかったのだけれど、彼のパワーは凄かった。第2セットに放った2、3ショットが僕自身の調子を戻すきっかけを作ってくれた。そのおかげで今日は勝つことが出来たのだと思う。ベストの調子ではなかったけど、こうやって決勝まで来れたのは努力の結果。とにかく彼の棄権が残念だ。」と、ナルバンディアンを気遣ったコメントした。

この結果、フェデラーは自身初の全仏オープン決勝進出となり、次の試合ではディフェンディング・チャンピオンのR・ナダル(スペイン)I・リュビチッチ(クロアチア)の勝者と優勝をかけて対決する。

(2006年6月9日22時38分)
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