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(イギリス、ウィンブルドン)
ウィンブルドン9日目は男子シングルス準々決勝が行われ、R・フェデラー(スイス)はM・アンチッチ(クロアチア)にストレート勝ちしたが、L・ヒューイット(オーストラリア)はM・バグダティス(キプロス)の攻撃をかわすことができずに敗退した。
今大会4連覇を目指すトップ・シードのフェデラーは、雨による2回の中断ももろともせず、6-4, 6-4, 6-4のストレートでアンチッチを下し、4強入り一番乗りを果たした。
この二人には、4年前の今大会に第7シードで出場していたフェデラーを、予選から上がってきたアンチッチが1回戦で破るという曰くがあるが、フェデラーはそれ以来芝では負けなしで、この日の勝利が芝での46連勝目だった。先月の全仏オープンの準々決勝でもフェデラーがアンチッチを6-4, 6-3, 6-4で退けていた。
アンチッチは、「多く語ることもない。今日の彼(フェデラー)は信じられないプレーをしていた。全仏の準々決勝でも対戦したけど、今日の方がお手上げだった。」と、彼の完璧なまでのプレーを賞賛していた。
試合は第1セット、2-2のところで最初の中断があった。試合開始直後にフェデラーがアンチッチのサービスをブレークし、第1セットを先取した。第2セットで3-2とフェデラーが1つブレークアップしてリードしている時に、2度目の中断があったが、その後も主導権を渡さず、第2セットも物にした。
第3セットは出だしで走るフェデラーが3-0と2度のブレークに成功しリード、その後アンチッチの必死の攻防に合うが、最後はサービス・エースで締めくくり試合に決着をつけた。
「アンチッチはタフな相手だから厳しい試合を想定していた。だけど思ったよりスムーズに勝てて自分でも驚いている。雨の中断があると、よくリズムが狂うんだけど、その中断でも遮られることはなかった。コートへ戻ると1からスタートできた。」と、試合を振り返っていた。
これでグランドスラム9大会連続となる準決勝進出を決めたフェデラーは、今大会では1セットも落とさない完璧な勝ち上がりで、金曜日の準決勝ではノーシードから勝ち上がってきたJ・ビョークマン(スウェーデン)と対戦する。
34歳ベテランのビョークマンはこの日、第14シードのR・シュティエパネック(チェコ共和国)と準々決勝を行い、第4セットではシュティエパネックにマッチポイントをにぎられながらも、7-6(7-3), 4-6, 6-7(5-7),7-6(9-7), 6-4の接戦を制した。
1997年USオープン以来初となるグランドスラム4強入りを果たしたビョークマンは、
「4大大会でまた準決勝へ進出できるなんて思ってもみなかった。つい感情的になってしまって申し訳ない。34歳で準決勝を戦えるなんて、まさに夢のようだ。あのままコートに残ってみんなと抱き合っていたかった」と、BBCのインタビューにうれし涙を浮かべて答えていた。
もう一方のドローの山では、年初の全豪オープンで準優勝し世界をあっと言わせた第18シードのバグダティスが、第6シードのヒューイットを6-1, 5-7, 7-6 (7-5), 6-2で破る波乱を演じた。
2002年の今大会覇者のヒューイットは、芝シーズンに入って9連勝と調子も上向きで準々決勝に挑んだが、一方のバグダティスも最近のスランプを吹き飛ばすかのような勢いで今大会勝ちあがっていた。
バグダティスはウィンブルドンで初の4強入りとなるが、その活躍について自分でも驚きを隠さない。
「生まれ故郷の『パラミータ』という町の名前は『おとぎ話』という意味なんだ。それもあって自分はあたかもおとぎ話の主人公みたいな夢見気分だよ。」
バグダティスの準決勝の相手は、第2シードのR・ナダル(スペイン)と第22シードのJ・ニエミネン(フィンランド)の勝者となるが、この日予定されていた同試合は日没のために翌日に順延となっている。
先月の全仏オープンで見事2連覇を達成したナダルは、ニエミネンとは2回対戦して全て勝っており、今年のバルセロナのクレーでの大会でもフルセットでナダルが勝利していた。両者左利きで、二人ともウィンブルドンでは初の準々決勝となる。
また、この日はジュニア女子シングルス3回戦に登場した第7シード森田 あゆみがニコラ・ホフマノバ(オーストリア)を6-0, 5-7, 6-1で下し、準々決勝進出を決めた。
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