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大会13日目◇女子決勝でエナン、クズネツォワが激突

(アメリカ、ニューヨーク州フラッシングメドウズ)

再びUSオープン決勝の場に帰ってきたJ・エナン(ベルギー)。前回準優勝に終わった落胆は、今回は優勝に向けての決意に変わっており、土曜日にアーサー・アシュ・スタジアムで行われるナイトセッションで、第4シードのS・クズネツォワ(ロシア)を迎え撃つ。

初優勝は2003年。しかし、その翌年、翌々年は4回戦敗退に苦杯をなめた。そして昨年は第2シードとして決勝に進んだが、M・シャラポワ(ロシア)に敗れて、準優勝に終わった。

そのときの敗退の悔しさが、今大会で1セットも落とさずに勝ち上がってきたエナンの決意に表れている。戦った6試合、12セットのうち、ベーグル(6−0)が4回、タイブレークに及んだのも2回と抜群の安定感を見せている。

準々決勝のS・ウィリアムズ(アメリカ)戦でも、第1セットはタイブレークになったが、第2セットは6−1と、あわやベーグルという快勝ぶりを見せた。準決勝ではV・ウィリアムズ(アメリカ)と対戦、第1セットでは2本のセットポイントをふいにしタイブレークに持ち込まれ、ロッカールームに戻って呼吸困難の治療を受ける場面もあったが、結局ストレート勝ちした。

エナンは試合中に腕時計を付けて戦う数少ない選手の1人だが、対戦相手をやっつけて、7度目のグランドスラムタイトルを獲得する時も分かっているのかもしれない。

エナンは、「やる気に満ち溢れているわ。今年USオープンを制覇できることを望んでいるし、ウィンブルドンで敗れて落ち込んだ私にとって、意味の大きいものになりそう。」とコメントした。「今年はハードコートでは良い調子で来た。だから、優勝できると思う。大仕事をやってのけたと思ったら大間違い。だって、明日はもっと大きな一日になるんだから。ベストな調子にもって行きたいと思うわ。」と語るエナンは、2003年に優勝したときも、準決勝でJ・カプリアティ(アメリカ)を下し、決勝でK・クレイステルス(ベルギー)を下して優勝していた。
「でも、数年前ここでジェニファー(カプリアティ)を倒したのも、最高の思い出の1つ。」

エナンは決勝で顔を合わせるクズネツォワとは過去16回対戦し、14回勝利している。敗れた2回のうち1回は、今年のドイツ・オープン(クレー)の準決勝で、10連勝を止められたときだった。
「最後に彼女に負けたときと今では状況が違う。明日はリベンジも含んでいるわ。」とエナンはコメントした。

クズネツォワは、準決勝でのチャクエタゼ戦では第1セットと第2セット第1ゲームだけで21本のミスを犯すなど大乱調だったが、その後は13ゲーム中13ゲームを奪って、ロシアの後輩を退けた。

前回優勝した2004年は、決勝でE・デメンティエワ(ロシア)を下して見事初の四大大会優勝を飾った。しかし、2005年は1回戦でE・ビュチコワ(ロシア)に敗れ、まさかの初戦敗退に終わっていた。そして、昨年は4回戦で第19シードだったJ・ヤンコビッチ(セルビア)に屈した。

今になってクズネツォワは、ここにたどり着くまでに何が必要だったかを感じ取っている。「優勝して、次の年に初戦敗退に終わった。あの時はとても若かった。自分を卑下していたの。今は、決勝にたどり着くまでに私がどれだけ努力したかを自覚している。辛い時期を何度も乗り越えてきたの。」

「決勝も戻ってこれて、もう一度優勝するチャンスを得られた。もう一度世界最高の選手と戦うチャンスをね。素晴らしいことだわ。私のために頑張ってきてくれたチームに感謝したいと思う。」と語るクズネツォワ。

既に今大会での成績で、大会終了後には世界ランク2位に上昇することが確定しているクズネツォワ。ロシア人としては2人目となる。たとえ優勝しても世界1位になれる訳ではないが、クズネツォワは戦いの準備が出来ていると言う。
「戦って、ベストを尽くしたいから、最高の選手たちとの戦いにチャレンジしていく準備は出来ている。そのために生きているの。毎日テニスをして、この決勝に勝ち進みたいと思ってきた。自分自身にも挑戦してみたいと思う。」

(2007年9月8日21時05分)
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