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テニスのグランドスラムであるUSオープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会14日目の13日、男子シングルス準決勝が行われ、第6シードのJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)が、第3シードのR・ナダル(スペイン)を6-2, 6-2, 6-2のストレートで下し、初のグランドスラム決勝進出を果たした。
「人生で最高の瞬間だよ。」と語るデル=ポトロ。
試合終了後、ナダルは腹筋の痛みが彼のプレーに影響を与えていたことを認めると共に、デル=ポトロに対する賛辞を惜しまなかった。「何度でも繰り返すよ。彼は僕よりも良いプレーをしていた。だから、彼は僕に勝ったんだ。」
20歳のデル=ポトロは、深く回転の少ないフォアハンドででナダルをベースラインに釘付けにすると、時速140kmから200kmとスピードに変化をつけたファーストサーブでナダルにリズムを掴ませず、アルゼンチン人男子としては1977年のG・ビラス(アルゼンチン)以来となるUSオープン決勝進出を果たした。
この試合でナダルは、序盤こそ普段と変わらず全てのポイントに全力を尽くしていたものの、怪我の影響か100%のパフォーマンスではなく、デル=ポトロに圧倒される展開を強いられていた。その証拠に、この試合で5本あったブレークチャンスを、ナダルは1本もブレークに結びつけることが出来なかった。
6度のグランドスラム制覇を成し遂げているナダルを下し、決勝進出を果たしたデル=ポトロは、今週に入りボールが良く見えていると、その好調さの要因を語っている。「多分、僕の緑色の目のせいかな。ラファやR・フェデラー(スイス)との対戦はとてもタフなんだ。だけど今日は、信じられないプレーをしたのがキーポイントだと思う。」
デル=ポトロが勝利した結果、通算8度目となるフェデラーとナダルの頂上決戦の可能性が絶たれる共に、ナダルの生涯グランドスラム達成も来年以降に持ち越しとなった。「ごめんよ。だけど明日は、皆さんのために最後のポイントまで戦い抜き、良いテニスをご覧に入れます。」と、デル=ポトロはコートインタビューでコメントしている。
デル=ポトロにとって初めてのグランドスラム決勝進出は、昨年の夏から始まった躍進の新たなステップとなる。昨年の夏、ツアー初優勝を果たしてから4大会連続優勝の離れ業をやってのけたデル=ポトロは、世界ランクを65位から5位まで一気にジャンプアップさせていた。
M・チリッチ(クロアチア)との準々決勝のあと、雨による順延のため2日間の休養を得ることになったデル=ポトロに対し、ナダルはF・ゴンサレス(チリ)との対戦が終わったのが前日の土曜日であり、この日の試合で体調の差がついてしまった。
今大会で敗戦を喫したことにより、ナダルは8月のモントリオール大会から悩まされている腹筋痛について、遂に言及することとなった。その痛みは、彼のプレーに様々な影響を与えているが、特に深刻なのはデュースサイドからのサーブだった。「ワイドに打とうとすると痛みがひどくて、真ん中にしかサーブが打てなかった。」
一方のデル=ポトロは、キャリアで最高の勝利かと聞かれ「そう思うよ。ラファは素晴らしい選手だから、全ての瞬間で集中していた。彼は5、6時間は走り続けるからね。僕は強くはないけれど、ベストを尽くした。そして決勝に進出した。」と、謙虚に喜びを語っていた。
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