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クレイステルスが敗れる波乱、クルム伊達は8強入り◇ユニセフ・オープン女子

女子テニスツアーのユニセフ・オープン女子(オランダ/スヘルトヘンボシュ、賞金総額22万ドル、芝)は14日、シングルス1回戦残り4試合と2回戦2試合が行われ、第1シードのK・クレイステルス(ベルギー)が2回戦で敗れる大波乱が起きた。同じく2回戦に登場したクルム伊達公子(日本)は今季初のベスト8進出を果たした。

クレイステルスを下す波乱を演じたのは、何と予選を勝ち上がったR・オプランディ(イタリア)でクレイステルスを7-6 (7-5), 6-3のストレートで退けた。第1セットは両者1度ずつブレークし合い、5−4からのオプランディのサーブでは30−30とクレイステルスがそのセットを取るまであと2ポイントと迫った。しかしそのゲームをキープしたオプランディはタイブレークの末、第1セットを先取する。

続く第2セットでは勢いそのままにオプランディが3−0とリードし、そのままクレイステルスにブレークバックされることなく1時間33分で自身最大の番狂わせを演じた。5月のローマ大会で当時世界ランク18位のK・カネピ(エストニア)から勝利を奪ったオプランディは、現在世界ランク2位と更に上のランキングのクレイステルスから勝利を飾り今季初のベスト8進出を果たした。

大金星となったオプランディは「今日は常に戦い続けたし、ドロップショットも良い所で決まって、サーブの調子も良かった。本当に驚いています。そして信じられない。いつもキムのことは尊敬していたし、今でもそうです。だって彼女は選手としても人間としても素晴らしいチャンピオンだからです。」と、喜びを語っていた。

実はクレイステルスは第1セット序盤で、芝に足を取られて滑った時に、右足首を捻挫していた。奇しくもそこは、親戚の結婚式に出席していた時に怪我を負って、今年のクレーシーズンのほとんどを棒に振るきっかけとなった捻挫と同じ場所だった。

「今夜か明日の朝にもっと詳しく検査を受けるつもりです。それで足首の状態の詳しい状況を掴めたらと思います。練習の時はとても良い感触でボールを打てていたし、動きも良かった。だからそれほど気にはしていなかった。このような怪我は起きるべきして起きたけれど、再発してしまいとてもがっかりしています。また数週間前の状態に戻ってしまった気分です。でも時にはスポーツ選手が対処しなければならない現実なのです。」とクレイステルスは冷静に現実を受け入れていた。

そのオプランディと準々決勝で対戦するのがクルム伊達公子で、この日の2回戦でクルム伊達は、L・ドミンゲス=リノ(スペイン)を7-6 (7-3), 6-0のストレートで倒して、今季初となるベスト8進出を決めた。

第1セットの第4ゲームで先にブレークに成功したのはクルム伊達で、3−1とリードするものの次のゲームですぐにブレークバックを許してしまう。その後2度目のブレークを奪われたクルム伊達は、5−4からドミンゲス=リノにサービング・フォー・セットを迎えられてしまう。しかしそのゲームをブレークに成功してそのセットをタイブレークへと持ち込んだクルム伊達は、終始リードを維持してそのセットを先取。

第2セットでは勢いそのままに、ドミンゲス=リノに1ゲームも与えないプレーで78分で8強入りを果たした。第2セットも3度のブレークポイントをドミンゲス=リノ握られるなど、内容的にはスコアーほど簡単ではなかったが、芝を得意とするクルム伊達は粘り強いプレーでリズムを渡さなかった。

準々決勝でクルム伊達と対戦することに対してオプランディは「2年前の全仏オープンの予選で1度対戦しているけど、今回の対戦もとても楽しみ。彼女とは普段から親しくしているし、私にとってもう一人のビッグスターだから。」と、胸を躍らせていた。

この日行われた1回戦の試合結果は以下の通り。

R・ビンチ(イタリア) (7) ○-× P・エルコグ(スロベニア), 6-4, 6-2
S・エラーニ(イタリア) ○-× K・バーテンス, 7-6 (8-6), 6-1
J・ラーソン(スウェーデン) ○-× R・マリーノ(カナダ), 7-5, 7-5
J・ドキッチ(オーストラリア) ○-× A・クドリャフツェワ(ロシア), 6-0, 6-4

今大会の優勝賞金は3万7000ドル。

(2011年6月15日9時41分)
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