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元世界16位のラッツァーノがシード破り8強入り◇シティ・オープン

女子テニスツアーのシティ・オープン(アメリカ/メリーランド、賞金総額22万ドル、ハード)は水曜日にシングルス2回戦残り4試合が行われ、元世界ランク16位のV・ラッツァーノ(フランス)が第6シードのE・バルタチャ(英国)を6-4, 6-2のストレートで下す金星を挙げ、4月以来、今季2度目のツアー8強入りに成功した。

現在世界ランク81位のラッツァーノは、全仏オープン直前に婚約者を脳腫瘍のため亡くす悲劇に見舞われていた。そんなラッツァーノはこの日、同57位のバルタチャに対し、各セット1度ずつブレークされるも、第1セットでは2度、第2セットでは3度のブレークを奪い1時間36分のストレートで勝利し、かつてのプレーを彷彿させた。

「ストレスも無く強い気持ちでいることが出来ました。人生で最も大切なフィアンセを亡くしてから、テニスの試合は以前のように重要なものではなくなりました。それはただ単に私の仕事なのです。今は自分がいるべきトップ20への復帰を目指しています。今はそんなテニスを取り戻しているし、これまでは時間があまり持てませんでした。彼の看病をしながら試合に出場していたからです。今は第1に彼のために勝ちたいのです。」

ラッツァーノは婚約者への想いをエネルギーに、試合へ臨んでいることを明らかにした。ラッツァーノは2009年6月以来となるベスト4進出を懸けてI・ファルコーニ(アメリカ)と準々決勝で対戦する。ファルコーニはS・チャン(中国)と対戦中、6-4で第1セットを先取したところで、チャンが熱中症を訴え途中棄権。ファルコーニは思わぬ形で自身初のベスト8入りに成功した。

その他、第2シードのN・ペトロワ(ロシア)が主催者推薦のE・ボウチャードを6-2, 6-2のストレートで下し、順当に準々決勝進出を決めた。火曜日に行われた1回戦では1度も自身のサーブでブレークを許さなかったペトロワは、この日もボウチャードにブレークポイントさえ握らせない完璧なサービスゲームを見せ、逆にボウチャードから各セット2度ずつのブレークに成功、わずか52分で勝利した。

そのペトロワは準々決勝で第5シードのB・ヨバノフスキ(セルビア)と顔を合わせる。この日の2回戦でヨバノフスキはJ・クレイバス(アメリカ)を6-4, 5-7, 6-4の接戦で振り切っての勝ち上がり。

第1セットを先取したヨバノフスキだったが、第2セットでは5度のダブルフォルトを犯すなど、クレイバスにそのセットを奪い返され、勝敗の行方はファイナルセットへ。第3セットはブレーク合戦となるも、3度のブレークを許したヨバノフスキが4度目のブレークをクレイバスから奪い返し2時間28分で勝利、2月のクアラルンプール以来のベスト8進出を決めた。

今大会の優勝賞金は3万7000ドル。

(2011年7月28日13時30分)
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