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ナダルの勝利でスペインが5度目の優勝◇デビスカップ

男子テニスの国別対抗戦であるデビスカップの決勝(スペイン/セビリア、クレー)スペインとアルゼンチンの対戦は4日、シングルス1試合が行われ、R・ナダル(スペイン)J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)を1-6, 6-4, 6-1, 7-6 (7-0)の逆転で撃破、スペインに2年ぶり5度目となる優勝をもたらした。

ツアー最終戦で敗退した時には、テニスへの意欲が落ちていることを認めていた世界ランク2位のナダルが勝利したことにより、スペインは通算3勝1敗とし優勝が決まった。

第1セットをあっさりと落としたナダルであったが、第2セット中盤からリズムを取り戻すと、クレーキングの異名通りのパフォーマンスでデル=ポトロを圧倒した。

「デビスカップで勝負が決まるポイントを任されたことはありませんでした。ようやく自分の番が来ました。」と語ったナダルにとって、これが今年の全仏オープン以来のタイトルとなる。

試合に勝利した瞬間、コートに倒れ込んだナダルのもとには、チームメイトであるF・ロペス(スペイン)F・ベルダスコ(スペイン)に加え、スペイン代表チームの監督であるA・コスタ(スペイン)もコートになだれ込み、喜びを分かち合った。その一方、敗れたデル=ポトロは涙とともにコートを後にした。

2004年の決勝では当時18歳ながらもA・ロディック(アメリカ)に勝利して優勝に貢献していたナダルにとって、これがキャリア通算3度目となるデビスカップ制覇となった。

「1年最後の試合をホームで行って、しかもデビスカップの優勝が懸かった試合だったので特別な感覚でしたし、色々な感情をコートで感じました。」とナダル。「再び繰り返すのは不可能でしょう。」

「ホームのクレーであれば、彼らは史上最高のチームの一つだろう。」とアルゼンチン代表監督のT・バスケスはチャンピオンを称えた。スペインはこの日の勝利により、ホームで21連勝を達成している。

2005年からクレーコートで7敗しかしていないナダルであったが、この日はデル=ポトロのフォアハンドに押され、4ゲーム連続でブレークを許すなど不安の残る立ち上がりとなった。

この試合に勝って優勝の望みをつなげたいデル=ポトロは、試合を通してサーブに苦しんだものの、レーザービームのようはフォアハンドで44本ものウィナーを叩き込んだ。

しかし第2セットに入るとデル=ポトロにミスが増え始め、第2ゲームでブレークバックに成功したナダルが、続くゲームでようやくサービスキープに成功する。

「あれはとても重要なポイントでした。」とナダル。「あのゲームから、試合に入れたような気持ちになりました。」

バックハンドのクロスでポイントを重ねていったナダルが、第2セット第10ゲームをフォアハンドのウィナーでブレーク、1セットオールに追いつくと、2万を超える観衆からは割れんばかりの歓声が沸き起こった。

この日の会場は、昨シーズンは史上7人目となる生涯グランドスラムを達成していたナダルをして、「こんな観客の前でプレーしたことはありません。」というほどの熱狂的な応援が繰り返された。

第3セットは完全にナダルのペースとなり、序盤から3−0とリードを奪うと、第6ゲームでもブレークに成功したナダルがデル=ポトロに反撃を許さずにセットカウント2−1とする。

第4セットに入るとデル=ポトロが調子を取り戻し、ナダルのサービスゲームで4度のブレークに成功する粘りを見せるも、タイブレークで4本のミスを犯してしまうと、最後はナダルがフォアハンドのウィナーを決めてゲームセットとなった。

初日のシングルスではD・フェレール(スペイン)に逆転負けを喫していたデル=ポトロは「その前から彼に試合を支配されていました。もしかしたら、これが最後のセットになると思い、全てを出し尽くしました。負けはしましたが良い試合でした。勝利にとても近い感覚をまた味わいました。」と、試合を振り返った。

来年はディフェンディング・チャンピオンとなるスペインであるが、2月に予定されているカザフスタン戦に今回の優勝メンバーが揃う可能性は低そうだ。

今回の優勝の立役者の一人である世界ランク5位のフェレールは「またこの4人が集まるのは簡単なことではないでしょう。才能のある選手たちがたくさん控えています。何年もともにプレーしていますし、それぞれのスケジュールを調整して、みんな揃って出場できる対戦を見つけるのです。そうなるとは思いません。」と、チームの再結成に否定的な見方を示した。

文字通りチームのエースとして活躍したナダルは、来年はデビスカップに出場しないことを早くも明言しており、ロンドン五輪に集中するとしている。

(2011年12月5日11時40分)

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