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全仏オープンで3度の優勝を誇り、1995年2月に世界ランク1位に上り詰めたA・サンチェス=ビカリオ(スペイン)が女子国別対抗戦であるフェドカップのスペイン監督に新たに就任することが決まった。
サンチェス=ビカリオは2年間の契約を承諾し、2012年から2013年の2シーズンでスペイン女子代表監督として世界の舞台へ帰って来る。最初に監督として指揮を取るのは来年2月に行われるワールドグループの1回戦でのロシア戦。
サンチェス=ビカリオ自身も現役の頃、1990年代にスペインが5回優勝した全てで活躍をしていた。初優勝となったのは1991年で、その後、1993年、1994年、1995年の3連覇に加え、1998年の優勝にも貢献していた。
2002年まで16年間もスペイン代表選手を務めた彼女は、トータルで72勝をスペインにもたらし、この勝利数はフェドカップの最多勝利記録でもある。シングルスでは50勝22敗、ダブルスでは22勝6敗で、その内C・マルティネス(スペイン)とのペアーでは18勝を上げていた。
現役時代のサンチェス=ビカリオのキャリアは、スタートから輝かしいものだった。弱冠14歳4ヶ月の1986年5月には地元スペインのバルセロナ大会で初のWTAツアーデビューを飾り、いきなりベスト4入りを果たす。
同年の12月にはブエノスアイレスで自身初となる決勝進出を果たし、惜しくもG・サバティーニ(アルゼンチン)に敗れたものの準優勝を飾り、見事トップ100入りをしてシーズンを終えた。
1987年7月にはトップ50入り、1年後の1988年7月にはトップ20入りを果たし、翌年5月には10位と初のトップ10入りに成功した。その後1999年にトップ10落ちするまで10年間もその座を守り続けた。
また、29個のシングルスと69個のダブルスタイトルを持つ彼女は、シングルスでもダブルスでも世界1位になり、1995年2月には同時に1位の座についた。これはM・ナブラチロワ(アメリカ)に次いで2人目で、今でもM・ヒンギス(スイス)とL・ダベンポート(アメリカ)の4選手しか成し得ていない快挙。
エミリオとハビエルの二人の兄も男子プロとしてツアーを回り、特に6歳年上のエミリオは彼女が子供の頃からコーチとして指導しているなど、スポーツ一家だった。
サンチェス=ビカリオは、2002年のシーズンを最後に引退するが、2004年にはダブルスで復帰を果たし、A・メディーナ=ガリゲス(スペイン)とのペアーでアテネ五輪に出場した。これは1988年のソウル、1992年のバルセロナ、1996年のアトランタに続く4度目の出場だった。
サンチェス=ビカリオとマルティネスが引退した後は、低迷を続けているスペイン女子テニス界。現在のエースはメディーナ=ガリゲスの27位で、彼女を含めトップ100には7選手いるものの、トップ10に近い選手はしばらく現れていない。
スペインは2009年には、ワールドグループからワールドグループ2への入れ替え戦で敗退し、初のワールドグループ落ち。今年4月に行われた入れ替え戦でフランスに4勝1敗で勝利を上げて、2年ぶりとなるワールドグループ復帰を果たしていた。
そのスペイン女子復活のきっかけをサンチェス=ビカリオは作ることができるだろうか。その手腕に期待が高まる。
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