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ジョコビッチとマレーが2時間34分の激闘◇ATPツアー・ファイナル

男子テニスツアーの最終戦であるATPワールド・ツアー・ファイナル(イギリス/ロンドン、賞金総額550万ドル、インドアハード)は大会3日目の7日、予選ラウンドロビンのグループA2試合が行われ、第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第3シードのA・マレー(英国)を4-6, 6-3, 7-5の逆転で下し、予選ラウンドロビンを2勝0敗とし、決勝トーナメント進出へ大きく前進した。

ジョコビッチのサービスゲームで始まったこの試合、いきなり第1ゲームでブレークを決めたマレー。その後マレーは、1度もジョコビッチにブレークポイントを握らせない完璧なサービスゲームを展開し、44分で第1セットを先取した。

続く第2セット、ゲームカウント1−1の第3ゲーム、ジョコビッチは自身のサービスゲームで30−40とブレークポイントをマレーに握られてしまうも、そこを切り抜ける。その後、ジョコビッチはマレーのサービスゲームでブレークに成功し、リードする。

このいずれのポイントもマレーはチャレンジシステムを要求するも、マレーのチャレンジは失敗に終わり、リードを守り切ったジョコビッチは第2セットを奪い返すと、勝敗の行方は第3セットへ。

第3セット、先にチャンスを掴んだのはジョコビッチだった。第3ゲームでブレークに成功したジョコビッチは、ゲームカウント3−1とリードする。しかし、地元の声援を受けるマレーも、第8ゲームでジョコビッチのサービスゲームでブレークバックに成功すると、ゲームカウント4−4へと追い付いた。

その後サービスキープを続けた両者は、ゲームカウント5−5の第11ゲーム、マレーは15−40と再びピンチを迎える。1本凌ぐも次のポイントでのマレーのフォアハンドがアウトしてしまう。マレーは痛恨のブレークをジョコビッチへ許してしまった。

続くジョコビッチのサービング・フォー・ザ・マッチのゲームでは、マレーは15−40とチャンスを作るも、今季を世界ランク1位で終えることを決めているジョコビッチが2本のブレークピンチを切り抜けると、最後マッチポイントではバックハンドのラリーの応酬を制し、2時間34分の接戦で勝利をものにした。

試合後、ジョコビッチは「第1セットを落としてからも、きっとチャンスが訪れると信じて終始前向きな姿勢でいられたことは大切だった。そして、チャンスを生かし切ることができた。」

また「彼(マレー)のファーストサーブではほとんどポイントが取れなかったけど、徐々に彼にミスが出始めて自分にもリズムが出てきた。それでも最後のポイントまで、お互いほとんど互角だった。」とジョコビッチは、試合を振り返っていた。

敗れたマレーは「最後の2、3分が勝敗を決めたと思う。彼は僕のサーブでチャンスを掴みそれを生かした。その直後、僕が彼のサーブでチャンスを掴んだけど取り切れなかった。第3セットは自分にもチャンスがあった。その1ゲームで勝敗が決まってしまったんだ。」と、接戦を落とした悔しさを表していた。

この予選ラウンドロビンは1日置きに行われているため、両者翌日は試合が組まれていない。中1日開けて現地金曜日に予選ラウンドロビンの最後の試合で、ジョコビッチはT・ベルディフ(チェコ共和国)と、マレーはJW・ツォンガ(フランス)との試合に臨む。

「この大会のシステムの良いところは、接戦を強いられても1日の休養が取れる。明日は本当に休養が必要。簡単な練習だけをしてゆっくり過ごそうと思っている。そして、万全の態勢でコートに立って勝ちにいきたい。」とジョコビッチは、この日の疲れを回復させることの重要性を感じながら、今大会のシステムに感謝していた。

この日行われた試合結果は以下の通り。

【シングルス】
≪グループA≫
N・ジョコビッチ (1) ○-× A・マレー (3), 4-6, 6-3, 7-5
T・ベルディフ (5) ○-× JW・ツォンガ (7), 7-5, 3-6, 6-1

【ダブルス】
≪グループB≫
J・マーレー/ F・ニールセン(デンマーク) (8) ○-× M・ミルニ(ベラルーシ)/ D・ネスター(カナダ) (2), 7-6 (7-3), 4-6, 12-10
M・ブパティ(インド)/ R・ボパンナ(インド) (5) ○-× R・リンドステッド(スウェーデン)/ H・テカウ(ルーマニア) (4), 6-3, 5-7, 10-5

(翻訳/弓削忠則)

(2012年11月8日12時16分)

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