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男子テニスツアーの最終戦であるATPワールド・ツアー・ファイナル(イギリス/ロンドン、賞金総額550万ドル、インドアハード)は大会5日目の9日、予選ラウンドロビンのグループAの試合が行われ、シングルス第1試合で第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)と第5シードのT・ベルディフ(チェコ共和国)が対戦。ジョコビッチが6-2, 7-6 (8-6)で勝利するとともに、予選リーグ1位での準決勝通過を決めた。
第1セット、両者サービスキープを続け、迎えた第3ゲーム。ジョコビッチはファーストサーブの入らないベルディフのサービスゲームを攻め、いきなり0−40とリードする。ベルディフもここから挽回し40−40に追いつくものの、続く2本をストロークのミスで失い、ジョコビッチがブレークに成功。続く自身のサービスゲームもあっさりサービスキープし、ゲームカウント3−1リードを拡げる。
ベルディフは続く自身のサービスゲームでもファーストサーブが決まらず、ジョコビッチに強烈なリターンを決められ、再度ブレークを許してしまう。
その後、ジョコビッチはゲームカウント5−2で迎えた自身のサービスゲームで、40−0とリードする。ベルディフも1ポイント返すものの、ジョコビッチが2度目のセットポイントを決め、結局自身のサーブでわずか5ポイントしかベルディフに与えず、このセットを34分で先取する。
続く第2セット、ゲームカウント1−1の第3ゲームで、再びジョコビッチがベルディフのサービスゲームを破る。
このまま一方的な展開になると思われたが、続くジョコビッチのサービスゲームでである第4ゲームで、ジョコビッチが2度のボレーミスからベルディフにブレークを許し、ゲームカウントは2−2に。
徐々にファーストサーブの確率をあげてきたベルディフは、続く自身のサービスゲームもこの日2本目のサービスエースを決めるなどし、サービスキープする。その後は互いにブレークポイントも与えずサービスゲームをしっかりとキープし、試合はタイブレークへ突入。
自身のサービスで迎えたタイブレーク最初のポイントで、ベルディフはラリーから積極的にネットに出てフォアボレーでポイントを奪うと、続くジョコビッチのサービスからのポイントで絶妙なバックハンドのドロップをみせるなどし、2度のミニブレークに成功、リードを3−0に拡げる。続くポイントはダブルフォルトで失うが、そのままリードを保ちベルディフは6−3でセットポイントを迎える。
しかし、ここから今年度の最終世界ランク1位を決めているジョコビッチが驚異的な集中力をみせ、自身の強烈なサービスから2本ポイントを返す。その後、ジョコビッチは、ベルディフのサービスで強烈なリターンを決め、タイブレークを6−6の振り出しに戻す。
追いつかれたベルディフは、ここからミスを重ねてしまい、最後はフォアハンドのリターンが大きくアウト。タイブレーク6−3のリードから5本連続でジョコビッチに奪われ、1時間37分でストレートでの敗戦となった。
勝利したジョコビッチは「準決勝進出のことは考えないようにして、目の前の試合に勝つことだけに集中するようにしたよ。初めて3連勝で予選を勝ち上がることができたのは良かったね。」と、試合後のインタビューに答えている。1位での通過を決めたジョコビッチの対戦相手は、明日行われる予選グループBの結果によって決定する。
ベルディフは、この日のストレートでの敗戦で、得失セット数により予選ラウンドもう1試合の結果を待たずしての予選敗退が決まった。
「セカンドセットは接戦だったね。タイブレークでは僕にもチャンスがあったんだけどね。今日は彼(ジョコビッチ)とベストの試合ができなかったよ。」と、ベルディフ。
両者の対戦はこれが12度目であったが、ジョコビッチの唯一の敗戦はベルディフが決勝に進出した2010年のウィンブルドン準決勝の対戦のみで、直近の対戦ではジョコビッチが9連勝しており、この勝利で対戦成績を11勝1敗としリードを大きく拡げた。
敗れたベルディフであるが、来週には男子テニスの国別対抗戦デビス・カップのスペインとの決勝を控えている。アルゼンチンとの準決勝でベルディフは、1人でシングルスとタブルスで3勝をあげ、チェコの決勝進出に大きく貢献していた。ベルディフは「最高の瞬間がこれから訪れることを祈っているよ。」と、早くもデビスカップ決勝に向けての意気込みをみせている。
【シングルス】
≪グループA≫
N・ジョコビッチ (1) ○-× T・ベルディフ (5), 6-2, 7-6 (8-6)
【ダブルス】
≪グループB≫
M・ブパティ(インド)/ R・ボパンナ(インド) (5) ○-× M・ミルニ(ベラルーシ)/ D・ネスター(カナダ) (2), 7-6 (7-5), 6-7 (5-7), 10-5
(翻訳/大木茂敬)
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