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ロディック「今は何をしているかって?」◇マイアミ・テニス・カップ

11月30日から12月2日にかけてアメリカはフロリダ州マイアミで行なわれたエキシビションの『マイアミ・テニス・カップ』は、日曜日に決勝戦が行なわれ、N・アルマグロ(スペイン)が今季限りで引退したA・ロディック(アメリカ)を6-4, 7-5のストレートで下して優勝を飾り幕を閉じた。

今季を世界ランク11位で終えたアルマグロは、第1セットの第9ゲームでロディックのサービスゲームをブレークし、このセットを先取。第2セットも第11ゲームでブレークに成功したアルマグロは続くゲームをサービスキープしてゲームセット。

今年最後のグランドスラムである全米オープンの大会期間中に突然の引退表明をしたロディック。2003年の全米オープンで自身唯一となるグランドスラム優勝を飾ったロディックは、今年の同大会中に30歳の誕生日を迎え、13年間のプロ人生に幕を下ろした。

「とても楽しい時間を過ごせたよ。またこうして競技の場所へ戻って来れたのは嬉しいことさ。今でもテニスをエンジョイしているし、今までもテニスを楽しめなかった自分はいなかった。」とロディックは、エキシビションを楽しんでいたことを明かした。

「引退と怪我を切り離すことは難しい。なぜなら実際に怪我をしてしまっていたからね。怪我が基準になって決断を余儀なくされてしまった。実際、長い間苦しめられたし、自分のいるランキングや今できる最大のことを受け止めるとハッピーな気持ちではいられなかった。」と、引退を決めた気持ちを語っていた。

2000年にプロ転向したロディックは、2001年3月のマイアミ・マスターズ1000大会でベスト8入りしてトップ100入り。翌月のワシントン大会で自身初のツアー優勝を飾ると続くヒューストン大会でも優勝するなど、その年は3大会で優勝を飾り155位でスタートしたシーズンを14位まで上昇させた。

2002年7月のトロントでのマスターズ1000大会で準優勝を飾って初のトップ10入り。2003年の全米オープンでは、世界ランク4位で臨んだロディックが見事優勝。その後のパリでのマスターズ1000大会でベスト4入りして世界ランク1位へ上り詰めて、そのシーズンを終えた。

9週間後の2004年の全豪オープンまで世界1位にいたロディックは、その全豪オープンで優勝したR・フェデラー(スイス)にその座を奪われたものの、アメリカ男子テニス界を牽引した存在だった。

優勝したアルマグロは「決勝戦はとても良い試合だった。ロディックは今でも素晴らしい選手さ。今日の自分のテニスには満足している。もっと良いプレーができると思うけど、今はシーズンの終わりだし、ちょっと疲れも溜まっているんだ。お互い何か楽しいことをしようとしていたし、試合を楽しむこともできた。」と、決勝戦を振り返っていた。

かつてアルマグロは、ロディックと2度の対戦があったが、1度も勝利をあげられていなかった。最初に対戦したのは、このエキシビションが行なわれた同じ会場で毎年3月に行なわれるマスターズ1000大会の2010年ソニー・エリクソン・オープン男子準々決勝。最後は昨年の上海マスターズ3回戦。いずれもストレート負けを喫していたアルマグロは、今回のエキシビションでそのリベンジを果たした形となった。

このエキシビションにはこの2選手に加え、今季を世界3位で終えたA・マレー(英国)J・アイズナー(アメリカ)A・ファリャ(コロンビア)、ロディック同様今季限りで引退したJ・C・フェレーロ(スペイン)の6選手で争われていた。

初日の金曜日の第1試合では、アルマグロがファリャを6-4, 6-1で下し、続く第2試合ではアイズナーがフェレーロを7-6 (7-2), 6-3で下していた。

大会2日目の土曜日は、アルマグロがアイズナーを6-3, 6-4のストレートで下し決勝進出を決めると、ロディックがマレーを6-2, 6-3のストレートで勝利、アルマグロとの決勝戦へと駒を進めていた。

今年祖国で行なわれたロンドンオリンピックで見事金メダルを獲得したマレーは、その後に行われた今季最後のグランドスラムである全米オープンで悲願のグランドスラム初優勝を飾り、イギリス人として76年ぶりとなるグランドスラムでのタイトル獲得を果たしていた。

「ロディックはここ数ヶ月満足にボールを打っていなかった。きっと今はオフを味わっている時期だろう。それでも彼はとても良い感触でボールを打ってきたんだ。だって彼は全米オープンで4回戦まで勝ち上がる活躍をみせたのはほんの数ヶ月前のことだからね。」と、対ロディック戦での彼のプレーを賞賛していた。

そのロディックは決勝戦後の記者会見で現在の彼の生活を語っていた。

「今は何をしているかって?」と、記者の質問に答えるロディック。「練習などはしないよ。来週は奥さんの仕事に付いて行くんだ。色々な場所で色んな人と会わなければならないみたいだからね。来週は夫としての役割をフルに果たすつもりさ。これまでは彼女が僕を支えてくれたから、役割が逆になるね。」と、女優で妻のブルックリン・デッカーさんの仕事のために時間を費やすと明るく述べていた。

(翻訳/弓削忠則)

(2012年12月4日16時01分)

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