男子テニスツアーの最終戦であるATPワールド・ツアーファイナル(イギリス/ロンドン、 ハード)で幕が下りた2015年。この1年、テニス界では沢山の「出来事」が起きた。その「出来事」を1つずつ振り返ると、今年最初の大会であるブリスベン国際男子でBIG4の一角
R・フェデラー(スイス)の快挙から始まった。
当時世界ランク2位だったフェデラーはこの大会、初戦となる2回戦で
J・ミルマン(ロシア)を逆転で下すと、準々決勝の
J・ダックワース(オーストラリア)、準決勝の
G・ディミトロフ(ブルガリア)にはストレートで勝利し、決勝へ駒を進めていた。
この時、フェデラーの中では優勝を狙うことはもちろん、ツアー1,000勝も頭にあったことだろう。2015年最初の大会で決勝まで勝ち進んだことで目の前には「今季初のタイトル」と「ツアー1,000勝」という快挙があった。
決勝では、当時世界ランク8位の
M・ラオニチ(カナダ)と対戦。第1セットをフェデラーが取り、第2セットでも先にブレークに成功。そのままストレートで勝利するかに思われたが、ラオニチが怒涛の追い上げを見せてタイブレークを2−7で取られ、勝敗はファイナルセットへもつれ込む。
ファイナルセットでは、両者ブレークポイントを何度も握りながらもそれをしのぐ、一歩も譲らない接戦を繰り広げた。このセットもタイブレークにもつれ込むかに見えたが、ラオニチの凡ミスから生まれた隙をフェデラーが逃さず、最後はラオニチのストロークがネットにかかり、勝利を手にした。スコアは6-4, 6-7 (2-7), 6-4だった。
勝利の瞬間、フェデラーは大きく両手を挙げて喜びを表現。緊迫した試合を制したフェデラーには、大きな喜びと共にどこか安堵の感情も入り混じっているように見えた。
今季初優勝と共に、キャリア1,000勝を記録という大きな快挙を成し遂げたフェデラー。これは男子テニスの歴史の中でも
J・コナーズ(アメリカ)の1,253勝、
I・レンドル(アメリカ)の1,071勝に次ぐ3人目となった。
今季終了の段階では通算1,059勝で終えており、レンドルの1,071勝を超える瞬間が見られるのはそう遠くない未来だろう。
第2弾は全豪オープンについて、12月11日配信予定。
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