20・21日の2日間にわたり行われたテニスの全仏オープン・ジュニア2016の本戦出場権をかけた「全仏オープン・ジュニア2016 ワイルドカード選手権大会 in partnership with LONGINES パリ決勝大会」(フランス/パリ、レッドクレー)のフランステニス連盟の事業開発部ディレクターであるサム・プリモー氏が21日、大会についての想いを語った。
プリモー氏は、フランス国内だけではなく、ローラン・ギャロスというブランドを世界に拡げることを決め、そしてローラン・ギャロスブランドを発展させることで、その地でクレーコートの発展の促進になることを目指していると話す。
そのために、キーとなる国(日本・中国・韓国・ブラジル・インド)をプリモー氏は選んだ。そして今後はアメリカなども市場視野に入れながら展開していくと述べた。
これらの国々でローラン・ギャロスのブランドを展開していくためには「ワイルドカード選手権大会(RVRG)やプロモーション・イベントを開催し、各国のテニス連盟と事業提携をすることで、競技向上や選手育成、クレーコートの環境整備をしていきたいと思っています」とプリモー氏。
加えて「数名の技術コーチやトレーナーをその国々のテニス連盟に派遣して、知識やそれぞれの専門性を共有していくことも考えています」と話した。
同時に、その国々のテニス消費者とより距離を縮めていきたいと考えているプリモー氏は「グローバルなコミュニケ−ションとは別に、各国の特性に合った個別のコミュニケーション戦略を考えています。例えば、韓国からは2人のローラン・ギャロス・アンバサダーを擁立して、我々のブランド認知をローカル市場に拡げるために取り組んでいます」
サム・プリモー氏
「日本や中国でもそのような企画を進めているところです。また韓国では、現地のデジタルエージェンシーと提携をして、戦略展開をしています。日本でもそうですが、その地域の市場により詳しい現地エージェンシーと提携してプロジェクトを進めることにより、我々ローラン・ギャロスの伝えたいメッセージをよりその地域に適した戦略で発信をしていけると信じでいます」
「他には、現地の洋服ブランドのデザイナーとコラボレーションをして、ローラン・ギャロスのブランドを発展させていくことにも取り組んでいます。今までのローラン・ギャロスは統一された商品ラインを世界に発信してきましたが、これからはそれぞれの国限定の商品ラインやRVRGを含めたイベントを構築し、ローカルごとの戦略を考えていきます」
5カ国(日本・中国・韓国・ブラジル・インド)を選んだ理由については「市場の経済状況を鑑みて選出しました。また、テニス市場の発展状況も大きな指標の1つです。」
「例えば、日本では
錦織圭選手の活躍でテニス市場は広がっているし、我々の重要なパートナーであるバボラ(ラケットメーカー)の人気も非常に高い。韓国はデジタル技術が進んでおり、我々としてもデジタルプロモーション企画の強化をしていきたいので、よい実証実験になります。」
「また、中国では、N・リー選手が2011年に全仏オープンを優勝してから、ローラン・ギャロスのブランドやレッドクレー文化の拡がりを感じています。それぞれの国によって市場動向が全く違うので、それらに対応していく必要があると思っています」
今大会で優勝した
清水綾乃とR・ヴァグネル(ブラジル)は、5月29日から6月4日にローラン・ギャロスで行われる全仏オープン・ジュニア2016にワイルドカード枠で出場する。
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