テニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)で活躍中の
錦織圭が13歳から留学していたことで一躍有名になったアメリカのフロリダ州ブラデントンにある「IMGアカデミー」。
IMGアカデミーは、10名の世界ランク1位プレイヤーを育てたニック・ボロテリーが監修し、
A・アガシ(アメリカ)、
Bo・ベッカー(ドイツ)、
M・ヒンギス(スイス)、
M・シャラポワ(ロシア)、
S・ウィリアムズ(アメリカ)、
V・ウィリアムズ(アメリカ)ら世界トップ選手を多数輩出している、言わずと知れた世界屈指の名門アカデミーである。
今回は、そのIMGアカデミーの日本正規代理店である「アスリートブランド」の根本真吾氏に現地でのトレーニングや環境について話を聞いた。
「通常、日本を日曜日に出発し、現地時間の日曜日に到着します。日本からのフライトだと大抵夕方か夜の到着となります。IMGアカデミーから15−20分ぐらいのサラソタ空港にはIMGアカデミーのスタッフが迎えに来てくれます。」
「IMGアカデミーに到着するとフロントでチェックインをし、IDカードが渡されます。これは部屋の鍵代わりになり、また事前にお金を入れておくことでキャッシュレスカードの代わりにもなります。滞在中は食事がついています。食事は食堂でビュッフェ形式で提供されます。飲み物もバラエティに富んでいます。」と現地でのサポートも充実している。
気になる現地でのレッスンについて聞くと「レッスンは月曜から金曜日まで。到着翌日の月曜日朝からレッスンはスタートします。」
「初日はレベルチェックが行われ、レベル毎にグループ分けされ、その最初の1週間は同じグループでトレーニングをしていくことになります。1グループ20名程度、コーチが5人。4人に1人のコーチがつき、1コートを使用します。」と話し、IMGアカデミーの特徴である少人数制のレッスンが体験できる。
また「午後のメニューはおもに試合形式です。世界中から同世代の選手たちが集まってくるのが、IMGアカデミーの特徴。国や文化が異なるとプレースタイルも色々です。ただ試合をするのでなく、楽しみながら、競争心も向上させるような、そしてより多くの選手たちと実際にプレーができるような工夫がされています。」
「例えば、2人がペアになり、2ポイント先取のゲームをグループ内でしていきます。勝った方は常にコートに残り、負けた方はローテーションとなります。一定時間が来た時に勝ち側にいたら、今度はさらにレベルの高いグループに昇格、負け側の一番後ろにいたペアは下のグループに降格となります。」
「色々な選手と対戦することで、ゲーム運び、球の強さ、くせ、伸び、タイミングの取りにくいフォームなど、今までやったことのないようなスタイルのテニスを体験できるかもしれません。」とIMGアカデミーならではの練習方法を教えてくれた。
次に留学中のコミュニケーションについて聞いた。
「日本人コーチが2人いますが、それ以外は外国人コーチ。コーチの指示はすべて英語。もちろん日本人以外のグループの仲間とのコミュニケーションも英語です。」と根本氏。
いきなり海外に行って言葉も分からず練習に参加するのは、さすがに抵抗があるように思えるが「それでもテニスはテニス。言葉は完璧には分からなくても、テニスというスポーツの面白さは万国共通です。」
「同じグループで一緒になって、ワンポイントを取りにいき、相手に勝った、あるいは負けて一緒になって悔しがる中で、言葉を超えたチームワークが生まれてきたりします。また待っている間に、他のグループから来た選手たちと仲良くなったりするかもしれません。」
「ある参加者は1人でサーブ練習をしていると見知らぬ他のグループの生徒から試合を申し込まれることもあったようで、フレンドリーなアメリカならではの光景です。」と、同じ目的を持つ者が集まる場所では言葉の壁はないようだ。
錦織を筆頭に、日本人選手が次々と世界で活躍している今、世界トップ選手が行なったレッスンを体験し、自身の視野・考えを広げることも「第2の錦織」を目指す上では必要なのかもしれない。
IMGアカデミーでは、夏休みの期間を利用した短期のプログラムが受けられる。
世界的著名なコーチやプロ選手にも遭遇する可能性があり、将来のプロの卵が集まる環境の中で、次世代を担う世界のアスリートと寝食を共にし、夢を語る。短期でまずは渡米して、プレーをして、自身を知るチャンスである。
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