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涙キリオス 相手は「気の毒」

テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は3日、男子シングルス3回戦が行われ、第14シードのN・キリオス(オーストラリア)I・マルチェンコ(ウクライナ)と対戦したが、6-4, 4-6,1-6とした時点で右臀部の怪我を理由に棄権を申し入れ、4回戦進出とはならなかった。

>>全米オープン対戦表<<

キリオスは第1セットの終盤で既に右臀部をストレッチする姿も見られた。そして試合が進むとトレーナーを要求し、メディカル・タイムアウトをとって治療を施した。

コートへ戻ったが、本来の軽快な動きは影を潜め、途中棄権。世界ランク63位のマルチェンコが四大大会で自身初の4回戦進出となった。

「ここまでの2試合でも臀部に悩まされながら勝ち上がってきていた。きっと時間の問題だったと思う」と話したキリオスは、今シーズンの序盤でも臀部に問題を抱えていた。

「もっと時間をかける必要があったし、ジムでのトレーニングも念入りにするなど、より多くの努力をすれば、このような怪我は起きなかっただろう」

28歳のマルチェンコは初の4回戦進出への興奮を抑えることが出来なかった。試合直後のオンコート・インタビューでは、アーサー・アッシュ・スタジアムに詰めかけた観客の前で「これで16強入りだ。一体何てことだ」と喜びを爆発させていた。

マルチェンコはベスト8進出をかけて、第3シードのS・ワウリンカ(スイス)と対戦する。

「今年、彼(ワウリンカ)と対戦している。完敗だった。全ての面で彼の方が勝っていた」と語り、3月にインディアンウェルズで行われたマスターズ1000大会での敗戦を思い出していた。

一方、キリオスは時折鋭いフォアハンドを放つなど冷静なプレーを続けていたが、わずか9ゲームを戦った時点で臀部の異常が起きた。

第2セットのゲームカウント2−2の時、マルチェンコの放った強烈なアングル・ショットをスライドしながら鋭いスライス・ショットで切り返すと、それがウィナーとなりキリオスにポイントが与えられた。しかし、その時キリオスは膝をコートにぶつけており、膝から出血するほどだった。

第9ゲームでブレークを許し、ゲームカウント4−5とリードを許したキリオスは、また臀部をストレッチする仕草を見せていた。

「そんな状態でプレーを続けるのは、精神的にとても辛かった」と、その時のことを振り返っていた。

第2セットをマルチェンコに奪い返されたキリオスは、直後にトレーナーと共にロッカールームへ戻った。しかし、状況が好転することはなく、第3セットでは動きに精彩を欠き、不満を抑えきれなかった。

マルチェンコは「それが単にイライラしていたのか、本当に何か問題を抱えていたのか分からなかった。だから、とにかく集中することを心掛けていた」と難しい状況に対応していた。

第3セット、ゲームカウント1−4とリードを許してのコートチェンジの時、キリオスはベンチに座ってタオルで顔を覆いトレーナーと話していたが、突然涙を流していた。そのわずか2ゲーム後に棄権を決めた。

マルチェンコは「ニック(キリオス)のことは気の毒に思う。こんな形での勝ち方は望んではいなかったけど、勝ちは勝ち」と勝利を受け止めていた。

(STATS - AP)






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(2016年9月5日19時53分)

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