男子プロテニス協会のATPは30日に公式サイトで、2017年のライバル関係特集として世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)と同3位の
G・ディミトロフ(ブルガリア)を取り上げた。
今シーズンに両者は3度顔を合わせ、いずれもフルセットにもつれる接戦となった。
最初に対戦したのは、全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)準決勝だった。
その3カ月前、ナダルは満足にラリーすらできない状態だった。2016年10月半ばにはナダルの故郷であるスペインのマヨルカ島で自身のアカデミーをオープンさせ、オープニング・セレモニーには長年のライバルである
R・フェデラー(スイス)が駆けつけた。
ナダルは左手首の治療で休養へ入っていた。
一方のディミトロフも2016年は精彩を欠くシーズンを送っていた。2016年7月には世界ランク40位へ後退し、3度戦ったツアー決勝も全て敗れ優勝に至らなかった。
そんな両者はシーズン最初の大舞台で準決勝まで勝ち進んだ。
ナダルは3回戦で
A・ズベレフ(ドイツ)をフルセットで退けると、4回戦で
G・モンフィス(フランス)、準々決勝で
M・ラオニッチ(カナダ)を下し、復活を証明するプレーで準決勝へ進出。
オフシーズンにモンテカルロで激しいトレーニングを積んでいたディミトロフは、シーズン開幕戦のブリスベン国際(オーストラリア/ブリスベン、ハード、ATP250)で優勝を飾り、全豪オープンへ臨んでいた。
試合はナダルが6-3, 5-7, 7-6 (7-5), 6-7 (4-7), 6-4の激闘の末にディミトロフを退けた。
その後、ナダルは決勝戦でフェデラーに惜敗したが、2014年の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)以来の四大大会決勝進出だった。
そしてナダルはかつての強さを取り戻し、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)で自身10度目の優勝、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)では3度目のタイトルを獲得する活躍を見せた。
ナダルとディミトロフの今季2度目の対戦は、10月のチャイナ・オープン(中国/北京、ハード、ATP500)準決勝だった。
その時の両者は全豪オープンの時と状況が違っていた。ナダルは再び世界ランク1位へ返り咲き、ディミトロフも2015年2月以来となるトップ10入りを果たして自身初のATPファイナルズ(イギリス/ロンドン、室内ハード)出場も見えていた。
1年前のチャイナ・オープン準々決勝でも対戦していた両者。その時はディミトロフに軍配があがり、ナダルからの唯一の勝利を飾っていた。しかし、今年はナダルがリベンジし、6-3, 4-6, 6-1でディミトロフを振り切った。
今季最後の対戦は翌週に行われた上海ロレックス・マスターズ(中国/上海、ハード、ATP1000)準々決勝。両者11度目の対戦、7度目のフルセット・マッチとなり、ナダルが6-4, 6-7 (4), 6-3でディミトロフを倒した。
ナダルは自身4度目(2008年、2010年、2013年)となる世界ランク1位で今シーズンを終えた。ディミトロフも自己最高の世界ランク3位でシーズンを終了。
26歳のディミトロフはNitto ATPファイナルズで負けなしの全勝優勝を飾り、1998年の
A・コレッジャ(スペイン)以来となる初出場でのチャンピオンとなった。初出場で全勝優勝を飾ったのは、1978年の
J・マッケンロー(アメリカ)以来の快挙だった。
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