男子プロテニス協会のATP公式サイトは20日、世界ランク16位の
G・ディミトロフ(ブルガリア)のコラムを掲載。今年5月に30歳を迎える今後と将来、そして自身が立ち上げた財団について語っている。
2008年にプロへ転向したディミトロフは2013年のイフ・ストックホルム・オープン(スウェーデン/ストックホルム、ハード、ATP250)で初優勝。2017年にはW&Sオープン(アメリカ/シンシナティ、ハード、ATP1000)でATPマスターズ1000初制覇を果たすと、同年のNitto ATPファイナルズ (イギリス/ロンドン、室内ハード)を制し自己最高の世界ランク3位にまで浮上した。これまでに8つのタイトルを獲得している。
ディミトロフはコラムで「もうすぐ30歳になるけど、あまり深く考えてはいない。でも、確実に言えることは『わくわくしている』ということ。若くもなく、年寄りでもないが、人生の新しい段階に入ったような気がする。そこでは、自分自身を違った目で見て、自分自身をもう少し理解し自分を取り巻く不必要なものを切り捨てていくことができるはずだ」とした。
「身体的には調子が良く、精神的にも30歳を感じないのは良いことだけど、頭の中ではかなり成熟しているように感じる。何が起こるかなんて誰にもわからない。時間がいろいろ解決してくれるだろう。僕は自分の体が許す限り、最高レベルの競技を続けていきたいと思っている。しかし、テニスができるのは一時的なもので、永遠に続くものではない。僕らはアスリートであり、どんなアスリートにも期限がある、それは仕方のないこと。今は夢を見ているだけだけど、その夢が終わったときに本当の人生が始まるんだ」
「だから、テニス以外では将来的に家族を持つことや、ずっとやりたいと思っていたことに取り組むことができればと思っている。いつの日か、1つのことに別れを告げる時が来たらもう1つのことに両手を広げて準備し、自分の人生の次の章にわくわくしたいと思う」
また、ディミトロフは自身の財団を創設したことにも触れ、その将来や思いも語った。
「最近、僕は自分の財団を設立した。これが大きな役割を果たしてくれることを願っている。このことはいつも頭の片隅にあったことで、ただ時期が来るのを待っていただけなんだ。僕がブルガリアで育った子どもの頃、母が学校まで迎えに来てくれていたけど、そのとき助けを求めることができない子どもたちとすれ違っていた。僕は母に『誰か助けてくれる人はいないのか』と尋ねたことを覚えている。母は僕にとても正直にこう言ったんだ。『彼らはとても難しい立場にいるけれど、もしあなたがいつか彼らに何かしたいと思うなら、これからもテニスを続けてみたらどう?』ってね」
「その言葉がずっと心に残っていて、今では母を財団の理事に任命している。僕らはその会話をはっきりと覚えていて、多くのことを象徴しているんだ。母はこれまでに出会った誰とも違う考え方をする人で、僕がいつも既成概念にとらわれない考え方をしてきたのは、彼女のおかげだと思っている。彼女は無限のポジティブさとオーラを持っていて、当たり前だけど僕にとっては外国語ではない言葉を話してくれる。次のステップや目的を見つけようとする背中を押してくれるから、これ以上の人はいないし、彼女なら素晴らしい仕事をしてくれると信じている。一瞬たりとも疑わないよ」
「僕らはまだ最後のピースを構成しているところで、少し時間がかかっている。というのも、ひとつのことに集中するのではなく、幅広い分野をカバーしたいと考えているからだ。家族や子ども、大人など人生を歩むために必要な支援を必要としている人たちをできるだけ多くの分野でサポートする方法を見つけようとしている」
「僕は、家族を持てた数少ない幸運な人間の1人だと思っている。いろんな人が僕の人生に大きく貢献してくれた。彼らから多くのことを学んだから何かお返しをしたいと思って、家族や国から離れていた分を補うためにこの活動を行っている」
ディミトロフは今後24日に開幕する男子テニスのマイアミ・オープン(アメリカ/マイアミ、ハード、ATP1000)への出場を予定している。
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