全豪オープン2012特集 TOP
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2012年大会の見所
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ジョコビッチの独走か?それとも?
1年最初のグランドスラムである全豪オープンがいよいよ開幕する。新しいシーズンが開幕して2週間、灼熱のオーストラリアで頂点を目指す戦いが早くも始まる。
ここ1、2年のグランドスラム男子シングルスと言えば、トップ4に注目が集まるのが当然となってしまっている。世界ランク1位のノヴァーク・ジョコビッチのほか、もはや説明がいらないであろうラファエル・ナダル、ロジャー・フェデラー、そしてアンディ・マレー。今年もこの4人のプレーに世界が注目する。
今大会での優勝が昨年の歴史的なシーズンのきっかけとなった現王者のジョコビッチ、今年はディフェンディング・チャンピオンとしてメルボルンに戻ってきた。昨年終盤はUSオープンでの怪我に苦しんだジョコビッチであるが、今季開幕直前のエキシビションでは並み居る強豪をおさえて優勝するなど、怪我からの復活をアピール。優勝候補の一角であることは間違いない。
王座奪還を目指すナダルとフェデラーにも注目が集まる。今大会では2005年以来となる同じハーフの組み合わせとなった両者、順当に勝ち上がれば準決勝での対戦となる。2人合わせてグランドスラム24勝と、もっともメジャータイトルの勝ち取り方を知っているナダルとフェデラー。体調万全のフェデラーに対し、左肩の怪我が懸念されるナダルと両者のコンディションは異なるが、スポール史上最高のライバルと評された二人にも注目が集まる。
2年連続で今大会で準優勝に終わっているマレーにとって、ここオーストラリアは悲願のメジャータイトルに最も近い大会と言えるだろう。今年は元王者のレンドルをコーチとして招くなど、マレーにとって今年は文字通り勝負の1年になるだろう。
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終わらない女王争い
グランドスラムのたびに本命が分からなくなるのが女子シングルス。今年も一体だれがベスト4に勝ち残るのか想像すらできない。ランキング通りであれば、1位のキャロリーン・ウォズニアキ、2位のペトラ・クヴィトバ、3位のヴィクトリア・アザレンカなどが優勝候補となるのであろうか。
その一方で忘れてはならないのが、ディフェンディング・チャンピオンであるキム・クレイステルス、マリア・シャラポワ、そしてセリーナ・ウィリアムズの3人。グランドスラムという大舞台ほど力を発揮する元女王たちが優勝争いに絡んでくると、さらに大会が盛り上がることだろう。
絶対的な女王の不在が続く女子テニス界、昨年の今大会で準優勝したナ・リーがその後の全仏オープンでアジア人初のメジャー優勝を果たすなど、今シーズンの行方を占う重要ともいえる最初のグランドスラム。女王の座は果たして誰の手に?
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史上初のシード入り!錦織の上位進出に期待
日本勢でひときわ注目を集めるのは錦織圭その人。昨年のジョコビッチからの金星は、日本だけでなく世界的にみてもセンセーションな出来事で、世界でも期待される若手選手の一人となった錦織。日本男子として史上初となるグランドスラムでシードが付いた今大会、グランドスラムでの最高成績である4回戦を突破し、ベスト8進出なるか?
また日本勢からは主催者推薦で伊藤竜馬が出場する。昨年の活躍が評価され、アジア枠として初めて出場する全豪オープン本戦。一気に世界との差を縮めることができるのか?女子からは森田あゆみとクルム伊達公子が出場する。昨年は3回戦に進出した森田は昨年以上の成績を残したい。一方のクルム伊達は、復帰して初めて出場したグランドスラムである今大会で初戦突破を目指す。
第1日
いよいよ開幕!日本女子が初戦突破を目指す!
新しいシーズン最初のビッグイベントである全豪オープンがついに開幕する。ジョコビッチ、ナダル、フェデラー、マレーの4強による優勝争いや、ますます熾烈になってくる女王争いなど、今年もトップ選手による最高峰の戦いが期待できる。
大会初日は男子シングルスのボトムハーフ1回戦と、女子シングルスのトップハーフ1回戦が予定されている。 大会初日は2人の日本女子が初戦突破を目指す。まず8番コートの第1試合に登場するのは、クルム伊達公子。昨年9月に41歳になったクルム伊達は、昨シーズンの後半戦で100位圏外までランキングを落としていたが、シーズン終盤に下部大会でポイントを稼ぎまくり、しっかりと今大会にもストレートインできるランキングまで再上昇させていた。今シーズンでも開幕戦に選んだ下部大会できっちりとタイトルを取ってくるあたりは、さすがの一言だろう。初戦の相手は世界ランク88位のエレーニ・ダニリドーと、クルム伊達としては珍しく格下が相手となった。昨年のウィンブルドン以来となる初戦突破となるか? クルム伊達に続いて8番コートには、森田あゆみが登場する。昨年の今大会で3回戦に進出し、世界で戦う自信を手に入れていた森田。昨年はトップ50としてシーズンオフを過ごすなど、世界のトップレベルと戦う準備は着々と進んでいるという印象だ。今大会の1回戦では第32シードのペトラ・ツェトコフサと対戦する。いきなりシード選手とは運がないような気もするが、相手の世界ランクは33位と森田との差はわずかであり、展開次第で森田にも勝機はあるだろう。 今年のセンターコートでオープニングマッチを飾るのは、女子シングルス第3シードのヴィクトリア・アザレンカとなった。ポテンシャルはトップクラスながらもグランドスラムでは結果を残せない印象があったアザレンカだが、昨年は全仏でベスト8、ウィンブルドンでベスト4と大舞台でも実力を発揮できることを証明した。 続くセンターコート第2試合には地元期待の若手であるバーナード・トミックが登場する。弱冠19歳ながら世界ランク38位に位置しているトミックは、その若さに似合わない戦略的なプレーでトップ選手を苦しめることもあり、将来を嘱望されている。 第3試合には女子シングルスのディフェンディング・チャンピオンであるキム・クレイステルスが登場する。昨年の後半戦は怪我で棒に振っていたクレイステルスだが、休養期間やオフシーズンを経て再びトップレベルのプレーができるまでに回復してきた。前哨戦を臀部の怪我のためにリタイアしていたが、幸いにも重傷ではなくすでに回復しているとのこと。大会2連覇のためにも、初戦は快勝したいところだろう。 2試合が予定されているナイトセッションでは、男子シングルスにロジャー・フェデラー、女子シングルスにはキャロリーン・ウォズニアキが登場する。昨シーズンは2002年以来となるグランドスラム無冠に終わったフェデラーだが、シーズン最終戦を全勝で優勝するなど、まだまだトップを狙える力があることを自らの手で証明している。 一方のウォズニアキは世界ランク1位の座を守り続けているものの、グランドスラムで勝てない女王をレッテルから脱却するためにも、文句を言わせないタイトルで真の女王の座を掴みたいところだろう。 |
第2日
日本のサムライたちが出陣!
ついに開幕した全豪オープン。大会初日は日本勢からクルム伊達公子と森田あゆみが登場したが、揃って初戦敗退という結果に終わった。 大会史上2番目に最高齢となる41歳で全豪の舞台に臨んだクルム伊達は、今シーズンの開幕戦に選んだ中国のサーキットでシングルス優勝、ダブルス準優勝と好成績を残していたが、その分だけ多くの試合をこなしており、その疲労からかダニリドーの多彩なプレーの前に精彩を欠いた。 一方の森田は第32シードのツェトコフサから第1セットを先取する健闘と見せたが、試合途中から体調を崩す不運もあり逆転負け。2年連続での初戦突破はならなかった。 男女ともに上位陣は順当に勝ち上がっており、男子シングルスではラファエル・ナダル、ロジャー・フェデラー、トマス・ベルディフが、女子シングルスではキャロリーン・ウォズニアキ、ヴィクトリア・アザレンカ、キム・クレイステルスらが勝利している。 大会2日目は男子シングルスのトップハーフ1回戦と、女子シングルスのボトムハーフ1回戦が行われる。 男子シングルスには日本勢から錦織圭と伊藤竜馬が登場する。日本男子として史上初となるグランドスラムにシード選手として出場する錦織は、昨年の3回戦を超えるため、まずはステファン・ロバートとの1回戦に臨む。 一方の伊藤は主催者推薦で初めて全豪オープン本戦の舞台に臨む。昨年はUSオープンに本戦から出場、楽天ジャパン・オープンでも初戦を突破するなど、着々と世界と戦う準備を整えてきた伊藤が、錦織とともに初戦突破を目指す。 この他の試合では、男子シングルスのディフェンディング・チャンピオンであるノヴァーク・ジョコビッチやアンディ・マレーなどの強豪に加え、地元のヒーローであるレイトン・ヒューイットも登場する。 女子シングルスでは、第2シードのペトラ・クヴィトバ、元女王のセリーナ・ウィリアムズ、そして昨年の全米女王であるサマンサ・ストザーらが1回戦に臨む。 |
第3日
注目はナダルvsハース!
男女シングルス1回戦が行われた大会2日目は、日本男子にとって歴史的な1日となった。シード選手として初めてグランドスラムに登場した錦織圭は、貫録のプレーで格下の相手にストレート勝ち、2年連続での初戦突破を決めた。その錦織に続いて登場した伊藤竜馬は、世界ランク62位と格上相手でも自分のプレーを貫き、見事にグランドスラム初勝利。今大会で2人の日本人男子が2回戦に進出するのは、実に40年ぶりという快挙となった。 男子シングルスでは、ディフェンディング・チャンピオンであるノヴァーク・ジョコビッチが17ゲーム連取という離れ業で圧勝、大会連覇に向けて好スタートを切った。また第4シードのアンディ・マレー、第5シードのダビッド・フェレールら上位陣が順当に2回戦に進出している。 女子シングルスでは、地元の期待を背負ったサマンサ・ストザーが、まさかの初戦敗退を喫する波乱が起きている。マッチポイントでストザーの放ったショットがラインを割った瞬間、ロッド・レーバー・アリーナは沈黙に包まれた。 大会3日目は男子シングルスのボトムハーフ2回戦と女子シングルスのトップハーフ2回戦のほか、男女ダブルス1回戦が行われる。
女子シングルスでは、昨年の決勝で戦った2人、第5シードのナ・リーと第11シードのキム・クレイステルスがセンターコートに登場する。両者が順当に勝ち進むと、今年は4回戦で対戦することなる。お互いにこのコートを得意としており、攻撃的なグラウンドストロークを武器にするなど、共通点も多い両者がそれぞれ見せてくれるパフォーマンスに注目したい。 この他の試合では、女子ダブルス1回戦に森田あゆみと藤原里華のペアが登場する。シングルスからは日本女子勢は姿を消してしまったが、ダブルスでの活躍に期待したい。 |
第4日
伊藤と錦織が登場!
男女シングルス2回戦が行われた大会3日目、男子トップ10から早くも脱落者が出た。ファリャとの対戦に臨んだ世界ランク8位のフィッシュであったが、序盤から2セットを失うと、何度もトレーナーをコートに呼ぶファリャにイライラを募らせ敗退、大会を去ることとなった。
女子シングルスでは、昨年の決勝で対戦したキム・クレイステルスとナ・リーがそれぞれ勝ち上がったほか、世界ランク1位のキャロリーン・ウォズニアキ、ヴィクトリア・アザレンカら上位陣も順当に3回戦に進出している。 大会4日目は男子シングルスのトップハーフ2回戦と女子シングルスのボトムハーフ2回戦のほか、男女ダブルス1回戦が行われる。 男子シングルスでは、錦織圭と伊藤竜馬が3回戦進出を目指す。2度目のグランドスラム本戦出場ながら、メジャー大会初勝利を挙げた伊藤は、2008年のウィンブルドン1回戦でジョン・アイズナーと史上最長試合を演じて名を挙げたニコラ・マウーと対戦する。 一方で第24シードの錦織は、地元勢のマシュー・エブデンと対戦する。1回戦を勝利した後、「自分よりランキングが低い選手との対戦が増えた。」と自分が置かれている状況について語っている錦織。昨年の記録に並ぶ3回戦進出、さらにその先を見据えたプレーでここは快勝したいところ。 女子シングルスでは、マリア・シャラポワ、ペトラ・クヴィトバ、そしてセリーナ・ウィリアムズら優勝候補たちが3回戦進出を目指す。 |
第5日
ナダルとフェデラーがセンターコートに降臨! 3日目に続き男女シングルス2回戦が行われた大会4日目、日本男子で明暗が分かれる結果となった。世界ランク81位のニコラ・マウーと対戦した伊藤竜馬は、第1セットを先取する好調な滑り出しであったが、第2セットで4本のセットポイントを取りこぼすと流が変わり、惜しくも逆転負けを喫した。 地元勢のマシュー・エブデンと対戦した錦織圭は、伊藤とは対照的に試合開始からペースを掴めず2セットダウンのピンチに。しかし、第3セット以降で立て直しに成功した錦織は、シード選手の実力をいかんなく発揮して逆転で勝利、2年連続となる3回戦進出を決めた。 この他の試合では、男女ともに波乱のない展開となり、ノヴァーク・ジョコビッチ、アンディ・マレー、セリーナ・ウィリアムズ、マリア・シャラポワらが3回戦に進出している。 大会5日目は、男子シングルスのボトムハーフ4回戦と女子シングルスのトップハーフ4回戦、男女ダブルス2回戦とミックスダブルス1回戦が行われる。
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第6日
錦織の4回戦進出はなるか?
男女シングルス3回戦が行われた大会5日目、この日は波乱もなく勝つべき選手が勝った内容となった。男子シングルス第2シードのラファエル・ナダルと第3シードのロジャー・フェデラー、ボトムハーフの主役ともいうべき2人が揃ってセンターコートに登場、ともにストレート勝ちで4回戦に駒を進めている。 女子シングルスでは、デイセッションで第1シードのキャロリーン・ウォズニアキ、第3シードのヴィクトリア・アザレンカらが4回戦に進出すると、ナイトセッションではディフェンディング・チャンピオンのキム・クレイステルスと第5シードのナ・リーが勝利。特にリーは試合開始わずか3ゲームで対戦相手が棄権しており、長丁場のグランドスラムで大切な体力温存ができたことが大きい。 大会6日目は、男子シングルスのトップハーフ3回戦と女子シングルスのボトムハーフ3回戦、さらに男女ダブルス2回戦とミックスダブルス1回戦が行われる。
女子シングルスでは、第2シードのペトラ・クヴィトバ、第4シードのマリア・シャラポワらがセンターコートに登場する。ここまでの2試合とは違い、シード選手同士の対戦がはじまる3回戦で、彼女たちがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか注目したい。 この他の試合では、第1シードのノヴァーク・ジョコビッチが2回戦で伊藤竜馬を破ったニコラ・マウーと対戦するほか、地元のヒーローであるレイトン・ヒューイットがビッグサーバーのミロ・ラオニチとナイトセッションで対戦する。 |
7日目
クルム伊達&錦織のドリームペアが実現!
この他、男子シングルスではノヴァーク・ジョコビッチやアンディ・マレーら上位陣がしっかりと勝利。また主催者推薦で出場している地元の英雄レイトン・ヒューイットが劇的な勝利で4回戦に進出した。一方の女子シングルスでは、ベラ・ズヴォナレーワとマリオン・バルトリが敗退、トップ10選手の2人が2週目を前に大会を去る結果となっている。 大会7日目は、男子シングルスのボトムハーフ4回戦と女子シングルスのトップハーフ4回戦、さらに男女ダブルス2回戦とミックスダブルス1回戦が行われる。
この他の試合では、ミックスダブルスに錦織圭とクルム伊達公子というドリームペアが登場する。今年はオリンピックイヤーということもあり、多くのトップ選手が今大会のミックスダブルスにエントリーしているのも注目の一つとなっている。かつての先駆者であるライジングサンと今を駆け抜けているサムライの融合に注目だ。 |
8日目
錦織がベスト8進出を目指す!
女子シングルスでは、昨年の決勝の再現となったセンターコート第3試合で、ディフェンディング・チャンピオンのキム・クレイステルスが4本のマッチポイントを跳ね除けてナ・リーに劇的な逆転勝利、ベスト8に進出している。また、第1シードのキャロリーン・ウォズニアキがイェレナ・ヤンコビッチとの元女王対決を制している。 またミックスダブルス1回戦には錦織圭とクルム伊達公子という日本人ファンにとってドリームペアともいえる2人が登場、昨年のUSオープンで準優勝していたヒセラ・ドゥルコ/エドゥアルド・シュワンクのアルゼンチンペアに快勝、2回戦に進出している。 大会8日目は男子シングルスのトップハーフ4回戦と女子シングルスのボトムハーフ4回戦のほか、男女ダブルス3回戦とミックスダブルス2回戦が行われる。
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第9日
ベスト4に勝ち進むのは誰だ?
7日目に引き続き男女シングルス4回戦が行われた大会8日目、この1月23日は日本のテニスファンにとって忘れられない1日となった。第6シードのジョー-ウィルフリード・ツォンガとの4回戦に臨んだ錦織圭は、間違いなく世界トップの実力を持つツォンガに真正面から勝利、日本男子として80年ぶりとなる全豪ベスト8進出の快挙を成し遂げた。 また男子シングルスでは、錦織のほか第1シードのノヴァーク・ジョコビッチ、第4シードのアンディ・マレー、そして第5シードのダビッド・フェレールが下馬評通りにベスト8に進出している。 女子シングルスでは、第2シードのペトラ・クヴィトバ、第4シードのマリア・シャラポワが順当にベスト8入りした一方、今大会で5度の優勝を誇る第13シードのセリーナ・ウィリアムズが敗退、まさに誰が勝つか分からない女子シングルスを象徴する結果となった。 大会9日目は男女シングルス準々決勝のほか、男女ダブルス準々決勝とミックスダブルス2回戦が行われる。
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第10日
錦織が新たな扉を開く! 男女シングルス準々決勝が行われた大会9日目、今年最初のメジャータイトルを目指す実力者たちがベスト4に名乗りを上げた。女子シングルスでは、ディンフェンディング・チャンピオンのキム・クレイステルスが世界ランク1位のキャロリーン・ウォズニアキの反撃を振り切り、2年連続となるベスト4に進出したほか、ヴィクトリア・アザレンカがアグニエシュカ・ラドワンスカをフルセットで撃破している。 男子シングルスでは、大会前の下馬評通り第2シードのラファエル・ナダルと第3シードのロジャー・フェデラーが準決勝に進出している。デイセッションに登場したフェデラーは、元世界ランク4位のフアン・マルティン・デル=ポトロにストレートで快勝、2年ぶりのタイトル獲得を期待させてくれるプレーを見せた。一方のナダルは、第7シードのトマス・ベルディフを相手に今大会初めてセットを落としてしまうも、怪我の影響を全く感じさせないハイレベルなプレーでこれを粉砕、3年ぶりのベスト4入りとなった。 またミックスダブルスではクルム伊達公子/錦織圭組が登場したが、最後の最後で相手のイタリアペアに振り切られ、ベスト8進出はならなかった。 大会10日目は男子シングルスのトップハーフ準々決勝と女子シングルスのボトムハーフ準々決勝、男子ダブルス準々決勝と女子ダブルス準決勝、そしてミックスダブルスの2回戦と準々決勝が行われる。
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第11日
女子ファイナルへの切符をかけた戦い!
男女シングルス準々決勝が行われた大会10日目、ついに今大会のベスト4が出そろった。男子シングルスでは、新しい歴史を作りながら勝ち進んできた錦織圭が第4シードのアンディ・マレーに挑んだ。これまでの激闘の影響から尽きかけたスタミナで精いっぱいの抵抗をする錦織であったが、ビッグ4の壁は高いということを再認識させられただけだった。またディフェンディング・チャンピオンのノヴァーク・ジョコビッチは、ダビド・フェレールをストレートで下している。この結果、男子のベスト4はトップ4が独占することとなった。グランドスラムでも数えることしかないこのベスト4独占状態が、この1年間で3回もあるということが、現在のトップ4が傑出していることを証明している。 女子シングルスでは、第2シードのペトラ・クヴィトバと第4シードのマリア・シャラポワが準決勝に進出した。ともにノーシードの選手が相手と勝たなくてはならない試合をしっかりと勝ち進むあたり、ここにきてプレーが充実してきたことの証明だろう。 大会11日目は男子シングルス準決勝1試合と女子シングルス準決勝2試合、男子ダブルス準決勝とミックスダブルス準々決勝が行われる。
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第12日
男子ファイナルへの切符をかけた戦い! 男女シングルス準決勝が行われた大会11日目、女子シングルス決勝へ勝ち進んだ2名が決定した。今年最初のメジャータイトルに王手をかけたのは、ヴィクトリア・アザレンカとマリア・シャラポワの2人。ともにフルセットの接戦をくぐり抜けての決勝進出となった。また、今回の決勝はタイトルのほかに世界ランク1位の座もかかることとなり、文字通りの女王決定戦となった。 ナイトセッションで行われた男子シングルス準決勝は、黄金カードの代名詞ともなったラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーが対戦。これまでの試合とは次元の違うスーパープレーの応酬となったが、最後の最後でナダルがフェデラーを振り切って勝利。スポーツ界最高のライバル同士による激闘に終止符を打った。 大会12日目は男子シングルス準決勝1試合と、女子ダブルス決勝が行われる。
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第13日
女王争いがついに決着!
長かった今年最初のグランドスラム全豪オープンもいよいよ大詰め。大会12日目は男子シングルス準決勝がナイトセッションで行われた。男子ファイナルの切符を懸けて登場したのはディフェンディング・チャンピオンのノヴァーク・ジョコビッチとアンディ・マレー。昨年の決勝で両者が対戦した時はジョコビッチがストレートで勝利していたが、この日は5時間にも及ぶフルセットの激戦の末、ジョコビッチが勝利。文字通り死力を尽くした末の勝利だった。 また女子ダブルス決勝も行われており、ノーシードから勝ち上がってきたスヴェトラナ・クズネツォワ/ベラ・ズヴォナレーワ組が見事にタイトルを獲得。オリンピックイヤーらしく、同国同志の出場が多かった今大会を勝ち抜いた。 大会13日目は女子シングルス決勝と、男子ダブルス決勝が行われる。
アザレンカは準々決勝で第8シードのアグニエシュカ・ラドワンスカ、準決勝ではディフェンディング・チャンピオンのキム・クレイステルスを破り、自身初となるグランドスラム決勝進出を果たしている。一方のシャラポワは、昨年のウィンブルドン決勝で敗れたペトラ・クヴィトバを準決勝で破り、自身4度目のグランドスラム制覇に王手をかけた。 両者の対戦成績は3勝3敗でまったく五分、ハードコートでの対戦でも2勝2敗と互角となっている。アザレンカの勢いが勝つのか?シャラポワの経験が勝つのか?勝負の行方に全世界の注目が集まる。 |
第14日
超人たちが頂点を争う!
女王不在と呼ばれて久しかった女子テニス界、今大会の女子シングルス決勝はその問いに対する答えとなったのか?今回が初めてのグランドスラム決勝となったヴィクトリア・アザレンカは、試合序盤こそ動きが硬かったものの、グランドスラム3勝を誇るマリア・シャラポワに圧勝、自身初となるグランドスラムタイトルとともに世界ランク1位の座をも手に入れた。 また男子ダブルス決勝では、ノーシードから勝ち上がってきたリーンダ・パエス/ラデク・シュティエパネック組が第1シードのブライアン兄弟をストレートで撃破、見事にタイトルを獲得している。ダブルス巧者として知られるパエスは、これでダブルスでのキャリアグランドスラム達成の快挙となった。 大会14日目は男子シングルス決勝と、ミックスダブルス決勝が行われる。
これまでの通算ではジョコビッチに勝ち越しているナダルであるが、昨シーズンは全て決勝での対戦で6戦全敗と苦渋をなめさせられてきた。今シーズンから持ち前のヘビーショットをより強力に、そして打倒ジョコビッチのためにラケットのセッティングを変えているナダル。その効果を試す舞台が早くもやってきた。 一方のジョコビッチは、昨シーズンの快進撃さながらの強さでここまで勝ち上がってきた。特に準決勝のアンディ・マレーとの試合では、セットカウント1−2と劣勢になりながらも世界ランク1位の意地と執念で勝利をもぎ取っていた。 両者の対戦成績は16勝13敗でナダルがリードしているが、ナダルが最後に勝利したのは2010年のツアー最終戦となっている。 |
全豪オープン2011 総括
総括 もはや1強時代に突入したのか?男子シングルスのベスト4はこの1年間で3度目となるトップ4の独占となり、いかにノヴァーク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダル、ロジャー・フェデラー、そしてアンディ・マレーの力が突出しているかを証明する形となった。その中でも今大会のディフェンディング・チャンピオンであるジョコビッチは、マレーとナダルからフルセットで勝利をもぎ取り大会連覇を達成。さらに史上5人目となるグランドスラム3勝を達成した。1968年のオープン化以降、5人しかいないグランドスラム3連勝を達成した選手がフェデラー、ナダルを含め3人も現役で活躍していることを考えると、今のトップ勢が他を圧倒しているかが分かる。
女子ダブルスでは、スヴェトラナ・クズネツォワとベラ・ズヴォナレーワのロシアペアがサラ・エラーニとロベルタ・ビンチのイタリアペアに勝利、ともにメジャー2勝目の達成となった。今年は4年に1度のオリンピックイヤーということもあり、早くもメダルを目指すために、同胞通りで出場しているペアが多かったのが印象的な大会となった。 ミックスダブルスでは、ベタニー・マテック/ホヤ・テカウ組が見事にタイトルを獲得、ともに初となるグランドスラム優勝となった。
また伊藤竜馬も忘れてはいけない。主催者推薦という形ではあったものの、2度目のグランドスラム本戦出場で見事に2回戦に進出。世界との差は確実に縮まっていることを証明して見せた。女子からは森田あゆみとクルム伊達公子が本戦に出場、シングルスではともに1回戦で敗退に終わったが、森田は藤原里華とのペアで出場したダブルスで3回戦に進出、クルム伊達は錦織とのミックスダブルスで昨年のUSオープン準優勝ペアを破るなど、オリンピックに向けて明るい話題を残してくれた。 |